「吊り下げ式の高設ベンチは良いの?おすすめなの?」と疑問に思っていませんか?
- そもそも吊り下げ式ベンチってどんなもの?
- 吊り下げ式ベンチのメリットは?
- 吊り下げ式ベンチのデメリットは?
- 吊り下げ式ベンチはどんな人におすすめ?
このような疑問がある人は、ぜひ最後までお読みください。
いちごの高設ベンチは数十種類がありますが、吊り下げ式ベンチはハンギング式ベンチとも呼ばれ、最近注目を集めています。
しかし、実は15年以上前から日本でも使用されており、弊社代表の宮崎は大学院生時代に吊り下げ式ベンチの研究施設や農園でイチゴ栽培を学んでいました。
そのため、吊り下げ式ベンチのメリット・デメリットについては熟知しています。
いちごの高設栽培の特徴
まずはいちごの高設栽培の特徴をかんたんに説明します。
いちごの栽培方法の進化
そもそも、いちご栽培は「土耕(どこう)栽培」と呼ばれる地面の土で栽培する方法で始まりました。
その後、1mほどの高さで育てる「高設(こうせつ)栽培」が普及しました。
土耕栽培と高設栽培の特徴
吊り下げベンチの栽培は、高設栽培の一種です。
栽培方法 | 特徴 |
---|---|
土耕栽培 | 地面の土に畝を作って栽培する。 ◯初期投資が小さい △土づくりに時間がかかる △土の性質の影響を受ける △収穫などの作業姿勢が辛い △養液栽培ができずマニュアル化しにくい |
高設栽培 | 高さ1m程度の高さに栽培槽を持ち上げて栽培する。 ◯収穫などの作業姿勢が楽 ◯土の性質の影響を受けない ◯養液栽培ができマニュアル化しやすい △初期投資が大きい |
いちごの高設ベンチの種類
いちごの高設ベンチにはいろんな種類があります。
高設ベンチの栽培槽の種類
まずは栽培槽にいろんなバリエーションがあります。
- プランター式
- 発泡スチロール製容器
- シート式
- ポット式
- 連結トレイ式
高設ベンチの種類
高設ベンチにはいろんな種類があります。
列数や段数を増やす理由は、面積あたりの栽培株数を増やすためです。
吊り下げ式ベンチの主な目的も面積あたりの栽培株数を増やすことです。
そのため、面積あたりの栽培株数を増やしたい人は、吊り下げ式ベンチ以外の高設ベンチも選択肢に入ります。
- 通常1段1列ベンチ
- 上下2段1列式のベンチ
- 左右1段2列式のベンチ
- ひな壇型(ピラミッド型)の2段3列式ベンチ
高設ベンチの架台の固定方法
高設ベンチの架台の固定方法にもいろんなバリエーションがあります。
- ハウスパイプで地面に固定
- 足場パイプで地面に固定
- 竹で地面に固定
- コンテナで地面から高さをつける
- ハウスの上部からハウスパイプで固定
- ハウスの上部からチェーンで固定
- ハウスの上部からワイヤーで固定
吊り下げ式・ハンギング式高設ベンチの特徴
次に吊り下げ式高設ベンチの特徴を紹介します。
吊り下げベンチの名称
吊り下げベンチには、いろんな名称があります。
- 吊り下げベンチ
- ハンギングベンチ
- リフティングベンチ
吊り下げ式高設ベンチとは
吊り下げ式高設ベンチとは、ハウスの上部からワイヤーなどで高設ベンチを吊って固定するベンチのことです。
一般的な高設ベンチは地面に固定しているのに対して、ハウスの上部(梁)に固定しているのが特徴です。
栽培槽や栽培方法などの基本的なことは一般的な高設ベンチと同じです。
養液栽培の給液や配管は曲げられる部材を使い、水が流れるようにします。
ワイヤーをモーターで巻き上げることで、ベンチを上下に動かすことができます。
ベンチを上下に動かせることで、通路を狭くでき、栽培株数が多くできます。
収穫や栽培管理を行うときはベンチを低くして、人の手が届くようにします。
吊り下げたベンチが左右に動くタイプや、まったく動かないタイプもあります。
ハンギング式高設ベンチの販売業者
ハンギング式の高設ベンチを販売している業者を紹介します。
- 渡辺パイプ
- 誠和
- 大仙
- トミタテクノロジー
吊り下げ式・ハンギング式高設ベンチのメリット利点
ハンギング式高設ベンチのメリットを紹介します。
- 地面にパイプの架台がないので作業性が良い
- ハウス内の横移動が楽
- スピードスプレーヤーなどの農薬散布車が使える場合がある
- 農薬散布のホースが架台に引っかからないので農薬散布が楽
- ごみが溜まりやすい架台がないの床掃除が楽
- 地面にレジャーシートを広げて、いちご狩り客のくつろぎスペースにできる
- 珍しいことで「空飛ぶいちご狩り」というコンセプトでテレビ取材などのメディア露出を増やせた
- 面積当たりの栽培株数を1.2〜1.7倍程度まで増やせる
- 栽植密度が高いので、ハウスの面積を小さくできる
- 台風の大型化や豪雪、強風などの理由でハウスの強度が高い場合は、ハウスに追加コストがかからない
吊り下げ式・ハンギング式高設ベンチのデメリット欠点
ハンギング式高設ベンチのデメリットを紹介します。
- ハウスの強度が必要で、ハウスのコストが大きくなる
- 栽培管理の作業中にベンチが揺れると気分が悪くなる
- 巨大地震の激しい揺れで落下するリスクがある
- 日本での導入年数が浅く、部材が経年劣化した後に予想外のトラブルが起きる可能性がある
- 導入事例が増えてきて珍しさが薄れてきたので、今後はテレビ取材などのメディア露出が期待できない
- 面積当たりの栽培株数が多いが1株あたりの収穫量が少なくなり、生産効率が悪くなる
- 栽植密度が高くなるので病気や害虫が発生しやすい
- 作業するためにベンチの上げ下げを行う必要があり面倒
- ベンチの上下のモーターやワイヤーなどのメンテナンスや修理、部品交換のコストがかかる
- 養液栽培の給液と廃液の配管が面倒
- 吊り下げ部材があるので、遮光や保温のための水平カーテンが設置できない
- 水平カーテンが設置できないので、秋と春のハウス室温が高くなり、冬の燃料代が高くなる
- ハウスの軒高が高くなるので暖房効率が悪く、冬の燃料代が高くなる
- 工事が難しいので自作はできない
- 移設工事が難しいので中古は購入できない
吊り下げ式・リフティング式高設ベンチをおすすめする人
ハンギング式高設ベンチをおすすめする人を紹介します。
- 新しいモノや珍しいモノ好きな人、流行りに乗りたい人
- いちご狩りの集客に力を入れたい人
- 周辺に一般的な高設ベンチのいちご狩り園が多く、高設ベンチで差別化したい人
- ビニールハウスや高設ベンチの購入に補助金が使える人
- 元から強度が高くコストが高いハウスを建てる人、持っている人
- 冬の気温が高い地域
- バイオマス発電所併設などの理由で冬の燃料代が安い人
- 狭い農地しかない人
- 初期投資が大きくても困らない人
吊り下げ式・リフティング式高設ベンチをおすすめしない人
ハンギング式高設ベンチをおすすめしない人を紹介します。
- 流行りに乗りたくない人
- 長い歴史がある商品を使いたい人
- 南海トラフ巨大地震の想定震度が大きい地域の人
- いちご狩りビジネスをしない人
- コストが安いハウスを建てたい人
- 強度が弱いハウスを持っている人
- 冬の気温が低い地域
- 重油や灯油を使った加温機しかなく、冬の燃料代が高い人
- ハウスや高設ベンチに補助金が使えない人
- 面倒くさがりな人
- 初期投資を小さくしたい人
まとめ:いちご高設ベンチの吊り下げ式・ハンギング式のメリット・デメリット
今回はいちご高設ベンチの吊り下げ式・ハンギング式のメリットやデメリットを紹介しました。
どんな高設ベンチにも利点と欠点があります。
事業戦略や事業計画によって合っている人と合っていない人がいます。
あなたのいちご農園にベストな高設ベンチは、ハンギング式ですか?
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