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一般企業が農業参入する事例が増えていますが、失敗して撤退することも多いです。

農業は他の産業とは違う点が多く、一般企業では農業で成功するのが難しいからです。

また、最近は気候変動で地球全体で異常気象が起き、農業生産が難しくなっています。

プロの農家でも農業が難しくなっているのに、素人の一般企業が成功などできるわけがありません。

そこで今回は、一般企業が農業参入すべきではない理由を10個紹介します。

この記事を最後まで読むと、一般企業が農業参入すべきではない理由がわかり、貴社が農業参入すべきかわかります。

1. 一般企業は条件が良い農地を入手しづらいから

農業で成功するためには、条件が良い農地が必要になります。

農地を買うためには農地所有適格法人が必要

一昔前よりは、一般企業でも農地を入手しやすくなりました。

一般企業でも、その法人名義で農地を借りることができます。

しかし、法人名義で農地を買うためには、農地所有適格法人の条件を満たす必要があります。

農地所有適格法人の条件を満たすためには、多くの場合で別会社を設立する必要があり、ハードルが高いです。

農家や農業法人が良い農地を独占

また、農地所有適格法人の条件を満たす法人を設立しても、希望通りの農地が手に入るとは限りません。

条件が良い農地は農家が保有しており、条件が悪い農地しか入手できないからです。

もし条件が良い農地があったとしても、農家や昔から農業をしている農業法人が優先的に使用することが多いです。

今まで農業をまったくしていない企業が、いきなり素晴らしい農地を手に入れるのは難しいです。

農地の立地条件は後から改善できない

そして、農業は設備や栽培技術、品種などは後からいくらでも改善できますが、農地の立地条件は後から変更ができません。

最初に農地の選択でミスをしたり、妥協をすると、その後失敗する確率が高くなります。

農業で成功するためには良い農地が必要ですが、それが困難です。

2. 一般企業には農業業界の知識がないから

一般企業には農業業界の知識が不足しています。

農業の業界知識不足

一般企業の多くが、農業とは関わりがない業界にいます。

そのため、農業の業界知識が不足していることが多いです。

業界の知識がないことは、不利になります。

飲食業界のことを知らない人が、飲食店を突然始めるようなものです。

もしは貴社の事業領域に、異業種からド素人が参入する場合を想像してみてください。

「ド素人が成功するわけないだろうwww」と笑っちゃいますよね。

農業参入する企業も農家に笑われています。

農村の独特な文化

農業を行う場合、農地は農村にある場合が多いです。

農村には、独特な農村文化があります。

共同作業や設備の共同保有、お祭り、慣習、人間関係などを理解する必要があります。

地域よっては閉鎖的でよそ者に排他的な地域もあります。

企業は組織が強いので、弱い立場の農家をいじめる存在として見られることもあります。

農協や農業委員会, 農業改良普及員の存在

一般企業は一社だけでも事業ができます。

しかし、個人農家の多くは一軒だけで農業をしていません。

地域の農協の部会に所属し、農業委員会と農地のやり取りをして、公務員である農業改良普及員とやり取りをしています。

新参者として、いろんな関係者との関係性を構築する必要があります。

3. 初期投資が大きく回収に時間がかかるから

農業参入をするためには初期投資が必要で、その回収には時間がかかります。

農業は投資回収の年数が長い

農業は他の産業に比べて投資回収の年数が長くなりやすいです。

例えば、居抜き物件で始める小さな飲食店であれば、投資回収年数は5年以内の場合が多いです。

農業は大型機械やビニールハウスが必要なので、耐用年数が長い設備に先行投資が必要です。

そのため、投資回収年数は10年以上になる場合が多いです。

投資回収年数が長いと、リスクが大きくなり、投資効率が悪くなります。

農業機械や必要不可欠な道具類

露地栽培をする場合は、トラクターが必要で、いろんなアタッチメントや倉庫が必要です。

病気や害虫対策で農薬散布をするためには、農薬散布機が必要です。

荷物を運ぶためには、軽トラックが必要で、その車庫も必要です。

新規参入の場合は、農業事業に必要ないろんな物を買い揃える必要があります。

そのため、農家よりも初期投資額が大きくなります。

ハウス栽培は初期投資が大きい

ビニールハウスで野菜や果樹を栽培する場合、初期投資が大きくなります。

ハウスの値段は10年ほど前と比べて、1.5倍ほどに値上がりしました。

10年前にハウスを購入した農家や農業法人より、今から参入する企業の方が不利です。

燃料費も10年前よりも、1.5倍ほど値上がりしました。

ハウス栽培は自然災害や悪天候の影響を受けづらくなりますが、コストが大きくなります。

円安や物価高騰の影響もあり、ハウス栽培のコストが年々上がっています。

4. 農作物の栽培は素人には難しいから

農作物の栽培は素人には難しいです。

素人が高品質な作物の栽培は難しい

家庭菜園でなんとか食べられるレベルの野菜を作れる人でも、売り物になるレベルの高品質な作物を作るのは難しいです。

家庭菜園なら見た目は悪くてもいいですし、サイズがバラバラでも問題ありません。

しかし、売り物を作る農業であれば、見た目は綺麗でなければ売れませんし、サイズも規格通りのサイズでないと売れません。

大きすぎる野菜や小さすぎる果物は売れません。

農業は、趣味の家庭菜園とは別物なのです。

素人が高収量な作物の栽培は難しい

素人が高収量な栽培をすることも難しいです。

家庭菜園であれば、採れたら採れただけの収穫で満足できます。

たくさん収穫して儲ける必要はありません。

農業の場合は、採算が取れる最低限の収穫量や、利益を出すための高収量が求められます。

収穫量が少なければ、すぐに赤字になります。

売上で損益分岐点を超える必要があり、そのためには高収量が必要です。

素人が安定的な栽培は難しい

実は素人でも、運が良ければ、良い栽培が可能です。

農作物は人間が作る要素もありますが、自然や植物の力も関わるからです。

ちょうど良い天気が続いて、良い苗を購入できて、土が良い状態なら1回は成功できます。

しかし、素人が何回も安定的に栽培を成功させることは難しいです。

自然は季節ごとに変化しますし、年ごとに気候変動もあるからです。

不安定な栽培になると、長期的に見た時に赤字になります。

5. 農作物の販売は素人には難しいから

農作物の販売は素人には難しいです。

農作物販売のプロなら得意

貴社が農作物販売のプロの場合は問題ありません。

例えば、青果の仲卸業者、八百屋、果物屋、スーパーの事業をしている場合です。

その場合、農作物の生産さえできれば、販売は既存事業なので問題ありません。

農作物は工場製品とは違う

農作物の販売をしていないが、農作物ではない物を売っている会社もあると思います。

その場合、農作物の特徴を把握できれば問題ありません。

農作物は、物によっては鮮度が劣化しやすく、日持ちがしません。

品質にバラつきがあったり、サイズが違う場合もあります。

天候不順によって、計画通りの生産量が確保できない場合もあります。

また、消費者は農作物の値段は安くないと許してくれません。

スーパーではチーズなどの食料品の値段は上がっていますが、農作物の値段はほとんど上がっていません。

消費者はスーパーで高い農作物は買わないからです。

農作物は工場製品とは違う点が多いです。

販売の経験がなければ難しい

農作物に限らず、販売関係の事業を行った経験がない場合は、農作物の販売も難しいです。

まずは、「物を売る」という商売の基礎から学ばないといけません。

その場合には、個人農家と同じように、JAや市場に出荷する方法もあります。

6. 大規模化は適正規模ではない場合があるから

企業の農業参入は大規模戦略を取ることが多いですが、適正規模とは限りません。

企業の農業参入は大規模戦略が多い

企業の農業参入は、大規模戦略を取る場合が多いです。

企業の方が個人農家よりも資金力や金融機関からの信用力があり、大規模な農園を作れるからです。

また、大規模な方が売上が大きくなり、必要な雇用人数も多くなるので大規模を選びがちです。

ビジネスには適正規模がある

しかし、ビジネスには適正規模があります。

例えば、牛丼屋の場合、体育館のような巨大な牛丼屋はないですよね。

農園にも育てる作物や販売先などによって適正規模が決まっています。

例えば、水稲栽培の場合は、トラクターや田植え機、稲刈り機などの機械1台と運転手1名で管理できる面積をベースに、経営規模を考えていきます。

機械や運転手を増やすのであれば、その機械で管理できる最大の面積にするべきです。

他にもイチゴの観光農園の場合は、集客人数や生産量の波を考慮して、面積を決めます。

大きければより効率的で利益が出やすくなるとは限りません。

規模が大きすぎて利益が出にくくなる場合もあります。

闇雲に大規模にすると失敗する

一般企業の農業参入の場合、闇雲に大規模化して失敗する事例があります。

規模が大きい方が売上が大きいですが、農業は固定費の割合が高いという特徴もあります。

そのため、栽培や販売が失敗すると、すぐに赤字になります。

規模が大きい農園の場合、赤字になった場合の赤字額も大きくなります。

その結果、主力事業の利益を農業事業の赤字が食い潰すことになります。

最終的には、そのような企業は農業から撤退します。

7. 作業量に季節変動があり雇用調整が難しいから

農業は作業量に季節変動があり、雇用調整が難しいです。

季節で作業内容や作業量が変わる

農業は季節の影響を強く受けます。

例えば、水稲やリンゴは秋にしか収穫できません。

雪が降れば農作業は少なくなり、春は忙しくなります。

必要な労働力が季節で変動し、晴天や雨などの天候でも変わります。

農業は労働基準法の特例がある

農業は自然の影響を受けるので、労働基準法の特例があります。

例えば、労働時間や休日について労働基準法が適用されず、残業の割増賃金が免除されています。

それだけ農業は他の産業とは条件が違うのです。

複数品目の複合経営で対応

しかし、そのような特例があっても、雇用調整は難しいです。

一つの作物だけを生産すると農作業量の偏りが大きくなるので、複数の作物を栽培する場合があります。

これは、複合経営と言います。

例えば、露地栽培の果樹とハウス栽培の野菜を組み合わせる場合です。

冬に収穫できる野菜と夏に収穫できる果物を組み合わせて、毎月の作業量を均等化します。

8. 自然災害や気候変動で失敗するから

自然災害や気候変動で失敗するリスクが高いです。

自然災害のリスク

自然災害の被害を受けるリスクがあります。

例えば、大雨、大雪、土砂崩れ、ヒョウ、遅霜、猛暑、台風、突風、地震、津波です。

特に露地栽培の場合は、大きな被害になり、収穫がゼロになる場合もあります。

ビニールハウスなどの設備が倒壊するリスクもあります。

ビニールハウスはハウスの保険に入ることで備えができます。

収穫量が減ることは、農業の収入保険に入ることで備えができます。

気候変動のリスク

2024年は地球全体の平均気温が観測史上最高になりました。

「地球が沸騰している」と言われるほど、急激な気候変動が起きています。

そのため、日本でも夏は最高気温が40℃を超えるようになり、夏のような暑い期間が5月から10月まで伸びました。

この気候変動によって、過去の農作物の栽培方法は通用しなくなっています。

自然災害や気候変動のリスクは高まる

今後も自然災害や気候変動のリスクは高まると予想されます。

気候変動により、自然災害は増えていくでしょう。

そのため、自然の影響を受ける農業はどんどん難しくなっていきます。

9. 既存事業と相乗効果がないから

既存事業と農業の間に相乗効果がない場合は、競合優位性が弱くなります。

既存事業と相乗効果がないと農家に勝てない

既存事業と農業に相乗効果がない場合、競合他社に勝ちにくくなります。

事業戦略が他社と同じか、他社よりも弱いためです。

また、先行している農家にも負ける可能性があります。

既存事業と相乗効果があると強い

既存事業と農業に相乗効果がある場合は強い事業戦略になります。

例えば、観光事業をしている会社が、観光農園を運営する場合です。

農作物の流通や小売、飲食事業をしている会社が、農作物の生産をする場合です。

2つの事業に相乗効果があると、競合優位性が高くなります。

既存事業と農業に相乗効果がない企業が多い

農業参入したが失敗した企業の場合、既存事業と農業に相乗効果がないケースが多いです。

既存事業と農業を別々に運営した場合、条件は農家と変わりません。

農家よりも有利な条件に立つためには、既存事業という強みを活かすべきです。

10. 農業は予想よりも甘くないから

農業を甘く見ている企業が多いです。

農業を甘く見ている企業が多い

農業参入を検討する企業の中には、農業を甘く見ている企業が多いです。

「時代遅れなレベルが低い個人農家たちに、先進的な当社がお手本を見せてあげる」

「スマート農業で昔ながらの農業に革命を起こす」

「既存事業で成功した当社なら、農業なんてすぐに成功できる」

このようなことを言い、農業参入する経営者が多いです。

しかし、大半の企業がその後に農業で失敗していて撤退したり、規模を縮小しています。

「農業を甘く見ていない」と言う経営者も甘く見ている

「私は他の経営者と違って、農業を甘く見ていません」と言う経営者もいます。

しかし、話を聞いてみると、甘く見ているケースが多いです。

そもそも、甘く見ていなければ農業参入しようだなんて考えません。

「農業なら当社でも勝てそう!」と考えているのは、農業を甘く見ているからできることです。

そのような楽観的な発想で農業参入すると、失敗します。

既存事業よりも難しい事業だと想定すべき

農業参入を検討している企業は、既存事業で成功を収めているはずです。

そのため、その成功体験により「農業なら既存事業よりも簡単に成功できるだろう」と考えがちです。

その成功体験に依存した楽観的な考えは捨てましょう。

「農業で成功することは、既存事業よりも難しい。本気で挑戦しないと勝てない。でも成功すればリターンも大きい」と考えましょう。

本気で挑戦できない場合や成功したときのリターンが大きくない場合は、農業参入するべきではありません。

まとめ 農業参入すべきではない理由10選

今回は一般企業が農業参入すべきではない理由を10個紹介しました。

農業参入しても成功する企業は一握りです。

大半の企業は、失敗か停滞か期待よりも小さな成功で終わります。

ほとんどの企業は農業参入すべきではありません。

ですが、もちろん農業参入して成功する企業もあります。

企業が農業参入すべき理由もあるので、ぜひそちらもご覧ください。

一般企業が農業参入すべき理由10選【成功する理由】

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