
「イチゴを生食用ではなく加工品にして、六次化した方が儲かるのでは?」と思っていませんか?
「六次産業化すれば農業が儲かる!」というブームが20年ほど前にありましたが、まだ信じている人がいますね。
もちろん中には六次産業化で成功する事例もありますが、それは特殊なケースや目的が利益ではなく、マネできない場合が多いです。
多くの六次産業化は儲かりません。
今回は六次産業化や加工品製造が儲からない理由を3個紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
3位 原料の冷凍イチゴは安い輸入品が多い
「生食用で売れないイチゴだから、原料費は無料」と考える人が多いです。
しかし、実際にはその加工用イチゴにも生産コストがかかっています。
- 苗代の一部
- 燃料代の一部
- 収穫などの人件費の一部
- ヘタ切りなどの加工人件費の一部
- 冷凍庫の設備の一部
「冷凍イチゴを仕入れている加工業者は、仕入れにお金がかかるから不利」と思うかもしれません。
しかし、冷凍イチゴの大部分は輸入品で、格安です。
冷凍イチゴの輸入量
日本全体では、およそ3万トンの冷凍いちごを中国やエジプトなどから輸入しています。
ちなみに、生食用の生鮮いちごの輸入量は3,000トンほどです。
要するに、加工用の冷凍いちごは、生食用の10倍の量を輸入しています。
それが、大手食品メーカーなどでイチゴの加工品に使用されています。
冷凍イチゴの価格
数百キロや数トン単位で仕入れれば、キロあたりの仕入れ値はとても安いです。
例えば、輸入した冷凍イチゴは、キロ250円程度で購入できます。
日本の生食用イチゴは、キロ1,500円程度の価格です。
冷凍イチゴは、生食用の1/6程度の価格で購入できます。
冷凍イチゴを作る人件費
冷凍イチゴを作るときには、人件費がかかります。
冷凍イチゴのヘタを切り、袋などに入れる作業が必要だからです。
イチゴ1粒のヘタを切るのに平均3秒かかったとします。
冷凍用のイチゴ1粒の平均重量を10gとします。
人件費は時給1,200円とします。
冷凍イチゴ1kgを作るために、必要な人件費はおよそ100円です。
冷凍イチゴの生産コストを0円と考えれば、輸入冷凍イチゴの半額程度です。
しかし、実際には冷凍イチゴにも生産コストがかかっています。
2位 輸入品と品質の差がない
生食で、日本産イチゴと海外産イチゴを食べ比べると、味や食感の差が大きく分かりやすいです。
しかし、冷凍イチゴやその解凍品の場合、日本産と海外産の差は小さくなり、食べてもわかりにくいです。
さらに、ジャムなどの加工品にすると、その差はさらに小さくなります。
理由は、砂糖や他の材料、香料などを添加するためです。
そのため、イチゴの加工品では、国産イチゴではなく輸入イチゴが使われます。
理由は輸入イチゴの方が値段が安く、味や食感の差が小さいためです。
「国産イチゴ使用!」と謳っていない商品の場合、99%は輸入品を原料にしています。
さらに、輸入イチゴを最も多く輸入している国は中国ですが、中国で最も多く生産されているイチゴ品種は日本の「紅ほっぺ」です。
1位 予想よりも売れない
いちごの加工品はまったく売れないことはないですが、売れる量が少ないです。
貯蔵できるのですぐに売れなくても困りませんが、保管したり少しずつ売る必要があります。
特に材料費や製造に関わる設備費、人件費を計算し、利益も乗せた金額にすると、販売価格が高額になります。
そのため、予想よりも売れない場合が多いです。
あなたは農家が作った加工品を食べているか?
逆に考えてみてほしいですが、あなたは農家が作った加工品を日常的に買って食べていますか?
あなたの家の冷蔵庫や戸棚には、農家が作ったジャムやイチゴバター、調味料がありますか?
あなたの友だちは農家が作ったジャムを食べていますか?
スーパーで大手食品メーカーが製造したジャムや加工品は買わず、農家が作った加工品を選んで買っていますか?
大手食品メーカーのいちご加工品にはコスパで勝てない
大手食品メーカーが製造するいちごの加工品は、コスパが最強です。
値段が安く、品質のブレがなく、商品ラインナップも豊富です。
味も美味しく、価格も安いです。
スーパーやコンビニなどいろんな場所で売っているので、入手もしやすいです。
国産いちごを使った商品もあります。
あまおや、とちあいかなどブランドいちごを使用した商品もあります。
まとめ
他にも役立つ記事がたくさんあるので、ぜひ読んでみてください。
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