
イチゴ農家の方で、「葉面散布をしたいけどどれが良いのかな?」と悩んでいませんか?
- イチゴで問題が発生していて葉面散布で解決したい
- 葉面散布剤がいろいろあってどれが良いか選べない
- おすすめの葉面散布剤を試したい
イチゴは根が繊細な植物なので、根が弱ると、根から肥料成分を吸収できなくなります。
そうすると、葉や実に問題が起きてしまいます。
それを解決できるのが、葉から肥料成分を補給できる「葉面散布剤」です。
もちろん、すべての問題を葉面散布で解決できる訳ではありません。
葉面散布では解決できない問題もあります。
ですが、葉面散布は即効性があるので、早急にトラブルを解決する効果があります。
葉面散布剤は、イチゴ栽培の強い味方になってくれるはずです。
今回は問題別におすすめの葉面散布剤を紹介します。
いちごの実の問題におすすめの葉面散布剤
まずは、いちごの実の問題におすすめの葉面散布剤です。
実の先端が白色や緑色(先白果・先青果)
先白果や先青果の原因は、「果実肥大期の窒素過多」です。
窒素を含まない葉面散布剤を使用しましょう。
また、窒素の吸収と拮抗するカリウムやホウ素の供給も効果的です。
他にも、元肥の窒素を減らす、脇芽やランナーを残して養分を消費させるのもおすすめです。
ホストップ
ホストップは、窒素を含んでいません。
リン酸を25%、カリを20%含んでいます。
窒素を含んでおらず、カリウムを多く含むので、窒素過剰の症状が現れたときにおすすめです。
イーオス
イーオスは、酢酸15%の食酢です。
食酢は、「特定防除資材」として認められています。
酢には酢酸や有機酸が豊富に含まれ、窒素代謝を高め消化を促進します。
実が受粉しているがゴツゴツしている(乱形果・鶏冠果)
原因は「花芽形成時の窒素過多」です。
ただし、乱形果や鶏冠果は、花芽分化の後の花芽形成の段階で決まります。
花芽形成から実の収穫までは、冬は3ヶ月程度、秋や春でも2ヶ月は時間がかかります。
葉面散布剤をしてから効果が出る前に、2〜3ヶ月はかかることを理解しましょう。
ホストップ
ホストップは、窒素を含んでいません。
リン酸を25%、カリを20%含んでいます。
窒素を含んでおらず、カリウムを多く含むので、窒素過剰の症状が現れたときにおすすめです。
イーオス
イーオスは、酢酸15%の食酢です。
食酢は、「特定防除資材」として認められています。
酢には酢酸や有機酸が豊富に含まれ、窒素代謝を高め消化を促進します。
冬なのに糖度が低い(低糖度)
原因は微量要素不足です。
果実肥大期に微量要素が少ないと、食味が低下します。
また、春や初夏などの気温が高い時期には、成熟日数が短くなることにより、食味が低下します。
他にも、潅水量を減らすのがおすすめです。
アミノメリット黄色
アミノメリット黄色には、窒素が3%、リン酸が5%、カリが5%含んでいます。
アミノメリット黄色には、微量要素のマンガン、ホウ素、鉄、銅、亜鉛、モリブデンが含まれています。
過剰症状が出やすい窒素が少なめで、幅広い栄養素を含むので使い勝手がよく、おすすめです。
冬なのに果実が柔らかい(軟弱果)
原因はカルシウムとケイ酸不足です。
また、カルシウムの吸収は、アンモニア態窒素やカリウム、マグネシウムと拮抗します。
アンモニア態窒素やカリウム、マグネシウムを過剰に施肥しないように注意しましょう。
また、果実の発達にはリン酸が不可欠なので、不足しないようにしましょう。
ただし、土耕栽培のイチゴ農園ではリン酸の過剰状態が問題になっています。
カルタス
カルタスには、カルシウムが10%含まれています。
カルタスには、窒素・リン酸・カリや中量要素、微量要素は含まれていません。
カルシウムだけを補給したいときにおすすめです。
トーシンCa
トーシンCaにはカルシウムが8%含まれています。
トーシンCaには、窒素が4%、リン酸が2%、カリが2%、マグネシウムが1%、ホウ素が0.01%含まれています。
カルシウムを供給しながら、窒素・リン酸・カリ、マグネシウム、ホウ素の補給もできます。
ホスカル
ホスカルには、カルシウムが5%含まれています。
ホスカルには、窒素が2%、リン酸が15%含まれています。
また、リン酸は100%が吸収しやすい「亜リン酸」です。
リン酸とカルシウムは相性が良いため、吸収効率が高く、素早く補給できます。
リン酸が不足している場合は、ホスカルがおすすめです。
バリカタ!
バリカタ!には、窒素・リン酸・カリ、中量要素、微量要素が含まれていません。
バリカタ!には、ケイ酸が20%含まれています。
イチゴの葉を固くして、丈夫な葉を作ってくれますが、実を硬くする効果は強くありません。
カルシウムが十分な場合は、バリカタ!も試してみましょう。
花房あたりの花数が少ない(低収量)
原因は「花芽形成時の窒素不足」です。
窒素を含んだ葉面散布剤を使用しましょう。
ただし、花房あたりの花数は、花芽分化の後の花芽形成の段階で決まります。
花芽形成から実の収穫までは、冬は3ヶ月程度、秋や春でも2ヶ月は時間がかかります。
葉面散布剤をしてから効果が出る前に、2〜3ヶ月はかかることを理解しましょう。
アミノメリット青色
アミノメリット青色には、窒素が7%、リン酸が4%、カリが3%含まれています。
アミノメリット青色には、マンガン、ホウ素、鉄、銅、亜鉛、モリブデンが含まれています。
いちごの葉の問題におすすめの葉面散布剤
いちごの葉の問題におすすめの葉面散布剤を紹介します。
葉の緑色が薄い(肥料不足)
原因は窒素不足です。
窒素を含んだ葉面散布剤を使用しましょう。
アミノメリット青色
アミノメリット青色には、窒素が7%、リン酸が4%、カリが3%含まれています。
アミノメリット青色には、マンガン、ホウ素、鉄、銅、亜鉛、モリブデンが含まれています。
葉の外側(縁)が枯れている(チップバーン)
原因はカルシウム不足です。
カルシウムを含んだ葉面散布剤を使用しましょう。
また、カルシウムの吸収は、アンモニア態窒素やカリウム、マグネシウムと拮抗します。
アンモニア態窒素やカリウム、マグネシウムを過剰に施肥しないように注意しましょう。
特に、窒素過剰によりチップバーンが起きやすいので、窒素施肥は控えましょう。
カルタス
カルタスには、カルシウムが10%含まれています。
カルタスには、窒素・リン酸・カリや中量要素、微量要素は含まれていません。
カルシウムだけを補給したいときにおすすめです。
葉の葉脈の間が黄色(クロロシス)
原因は鉄不足です。
排水不良で根の一部で根腐れが発生したときにも発生しやすいです。
鉄力あくあF14
鉄力あくあは鉄を15%含んでいます。
窒素・リン酸・カリは含んでいません。
マグネシウムを7%含んでいます。
微量要素のマンガン、ホウ素、銅、亜鉛、モリブデンを含んでいます。
鉄とマグネシウムを補給できるので、クロロシスが起きたときにおすすめです。
うどんこ病が発生した、予防したい
うどんこ病はケイ酸が不足すると発生しやすくなります。
ケイ酸を含んだ葉面散布剤を使用しましょう。
他にも、換気をしたり、UV-Bライトの照射、殺菌剤の散布も有効です。
バリカタ!
バリカタ!には、窒素・リン酸・カリ、中量要素、微量要素が含まれていません。
バリカタ!には、ケイ酸が20%含まれています。
イチゴの葉を固くして、丈夫な葉を作ってくれます。
いちごの根の問題におすすめの葉面散布剤
いちごの根の問題におすすめの葉面散布剤を紹介します。
発根量が少ない
根の発育が悪い場合は、根の成長を促進できる葉面散布剤を使いましょう。
特に鉄やカリが重要です。
また、元肥を多くしない、排水性を良くする、地温を15℃程度にすることも大切です。
鉄力あくあF14
鉄力あくあF14は鉄を15%含んでいます。
窒素・リン酸・カリは含んでいません。
マグネシウムを7%含んでいます。
微量要素のマンガン、ホウ素、銅、亜鉛、モリブデンを含んでいます。
イチゴの根の発育を促進したいときにおすすめです。
ホストップ
ホストップは、窒素を含んでいません。
リン酸を25%、カリを20%含んでいます。
イチゴの根の成長を促進したいときにおすすめです。
いちごの苗の問題におすすめの葉面散布剤
次に、いちごの苗の問題におすすめの葉面散布剤を紹介します。
育苗中に苗が弱っている(葉が黄色)
苗が弱っている場合は、窒素・リン酸・カリ、微量要素が不足している場合があります。
窒素・リン酸・カリや微量要素を含む葉面散布剤を使いましょう。
アミノメリット青色
アミノメリット青色には、窒素が7%、リン酸が4%、カリが3%含まれています。
アミノメリット青色には、マンガン、ホウ素、鉄、銅、亜鉛、モリブデンが含まれています。
花芽分化が遅い(花芽分化を早めたい)
いちごの花芽分化が遅くなる原因は、窒素過多です。
窒素を含まない葉面散布剤を使用しましょう。
葉色が黄緑色になるのが理想的です。
もちろん、花芽分化には温度や日長時間、苗の葉齢も影響します。
ホストップ
ホストップは、窒素を含んでいません。
リン酸を25%、カリを20%含んでいます。
窒素を含んでいないので、花芽分化を促進したいときにおすすめです。
活着を促進したい(根を増やしたい)
苗を定植後に活着を促進したい場合は、根の成長を促す必要があります。
また、元肥や潅水量を多くしすぎないことも大切です。
サカタ液肥GB(ドブ漬け)
サカタ液肥GBには、窒素が1.5%、カリが3.5%含まれています。
サカタ液肥GBには、グリシンベタイン、ラフィノース、他多機能性成分が含まれています。
高温や低温、乾燥、高EC(塩害)への耐性を向上させる効果があるので、高温の秋の時期におすすめです。
また、定植前に苗をドブ漬け(浸漬処理)してから植えることで、活着を促進できます。
元肥が多すぎて根が傷んだ場合、植え傷み(植える作業で根が傷む症状)の軽減にも効果的です。
鉄力あくあF14
鉄力あくあは鉄を15%含んでいます。
窒素・リン酸・カリは含んでいません。
マグネシウムを7%含んでいます。
微量要素のマンガン、ホウ素、銅、亜鉛、モリブデンを含んでいます。
根の成長を促進したい時におすすめです。
天候の問題におすすめの葉面散布剤
最後に、天候の問題におすすめの葉面散布剤を紹介します。
天候が曇天続き(冬の光合成不足)
12月から2月の冬には、曇天が続くことで日照不足になります。
日照不足になると光合成が不足して、収穫量が減ったり、味が悪くなります。
特に、1月下旬から2月上旬の厳寒期や、日本海側で日照不足が発生しやすいです。
アラフェスタ
アラフェスタには、窒素4.5%、リン酸6.5%、カリ5.5%が含まれています。
アラフェスタには、2価鉄、マグネシウム、微量要素、ALA、アミノ酸、機能性糖類も含まれています。
葉緑素を生成し、光合成能力を向上させるので、冬季の曇天続きの時期におすすめです。
イーオス
イーオスは、酢酸15%の食酢です。
食酢は、「特定防除資材」として認められています。
酢にはアミノ酸が多く含まれ、曇天時に光合成の代わりにアミノ酸を補給してくれます。
天候が猛暑続き(高温)
春から秋までの気温が高い時期は、ハウス室温が高温になり、イチゴの生育が悪化します。
原因はイチゴの生育適温から外れることで、根や葉の発育が妨げられるからです。
特に定植直後の9月や、初夏の4月から5月に発生しやすいです。
また、イチゴの夏秋栽培でも問題になります。
サカタ液肥GB
サカタ液肥GBには、窒素が1.5%、カリが3.5%含まれています。
サカタ液肥GBには、グリシンベタイン、ラフィノース、他多機能性成分が含まれています。
グリシンベタインは、細胞の浸透圧を調整し、植物をストレスから守ります。
グリシンベタインは、化粧品の保湿成分や食品添加物にも使用されています。
ラフィノースはオリゴ糖で、ストレス耐性に関係しています。
高温や低温、乾燥、高EC(塩害)などのストレス耐性を向上させる効果があるので、高温の夏の時期におすすめです。
クロピコ
クロピコは、3種のオリゴ糖を含むバイオスティミュラント資材です。
植物を刺激して、本来持っている生命力を引き出します。
詳しくは、こちらの動画をご覧ください。
まとめ
今回はイチゴ農家向けにイチゴ栽培のおすすめ葉面散布剤を、問題別に紹介しました。
栽培の悩みがある人は、ぜひ使ってみてください。
こんなお悩みはありませんか?
イチゴビジネスに新規参入したいけど…
◆イチゴ農園を始めたいけど、どうすればいいかわからない…
◆イチゴ農園の事業戦略や事業計画づくりに不安がある…
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