
「いちごの植物工場はどんな事例があるのだろう?」と疑問に思っていませんか?
・いちごの植物工場に興味がある
・いちごの植物工場を開業したい
・いちごの植物工場の事例を知りたい
・海外のいちごの植物工場も知りたい
このような気持ちの方はぜひ最後までお読みください。
この記事を最後まで読むと、日本と海外のいちごの閉鎖型植物工場の事例を網羅的に知ることができます。
日本のいちごの閉鎖型植物工場の事例11選
まず、日本のいちごの閉鎖型植物工場の事例を紹介します。
1. 人の森株式会社
人の森株式会社は2018年、関東圏初としてLEDを用いた完全人工光型植物工場でイチゴ生産を開始しました。
高齢者・障害者の雇用受け入れ先不足や耕作放棄地増、就農人口減少といった課題解決を掲げ、雇用創出・人材育成も推進。
社屋の書庫を工場化し品種はとちおとめです。
日照・温湿度・CO₂を自動制御して夏場も安定生産し、洋菓子店向けに通年供給を狙っています。
無機培地と地下水膜ろ過で病害虫・塩素を抑え、基本的に農薬不使用。
将来は量産工場建設、システム販売、機能性商品・海外展開も目指しています。
参考URL:https://hitonomoricorp.jp/820/
2. NTTビジネスソリューションズ株式会社 N.BERRY
NTT西日本グループは、ICTで温度・光・水などを自動制御する閉鎖型植物工場「いちごプラント」で育てたブランドいちご「N.BERRY」を2021年8月10日から販売開始します。
JA高知県佐川支所苺部会と連携し、異常気象や季節の影響を受けにくい通年の高品質生産を目指します。
販売はNTTビジネスソリューションズが担い、あべのハルカスのhanafru等で展開します。
今秋に生産拠点を拡大し、出荷量を増強する計画です。
参考URL:https://www.ntt-west.co.jp/news/2108/210810a.html
3. 名鉄協商株式会社 箱入り姫
「箱入り姫」は、化学農薬不使用のこだわり農法で育てる、安心・安全をうたういちごブランドです。
最適な環境で徹底管理し、季節を問わず一年中、甘くジューシーな味わいを楽しめます。
濃厚な甘みとほどよい酸味のバランス、果汁たっぷりの食感が特徴で、そのままでもスイーツでも合います。
一粒一粒が美しく並ぶ上品な箱入りパッケージで、贈り物や自分へのご褒美に向きます。
プレミアム3粒入りや11粒/15粒入りがあり、オンラインショップで購入できます。
参考URL:https://hakoirihime.jp/
4. いちごカンパニースイーツラボ
「いちごカンパニーSWEETS LAB」は、新潟県胎内市でLEDを使う閉鎖型植物工場でいちごを通年栽培しています。
併設工場で採れた新鮮いちごを、地元出身のパティシエが創作スイーツに仕立てて提供します。
施設内にはガーデンや屋根付きテラス、噴水広場、休憩室(まちの駅)もあり、散策やドライブ休憩に利用できます。
テラスの丸い窓から工場内も見学できます。
ショップは11:00〜16:00営業で、定休日は月・火(季節で変動する場合があります)。
参考URL:https://15company.jp/
5. 那須烏山市いちごの学校
栃木県那須烏山市の旧向田小校舎を活用した植物工場「いちごの学校」は、人工光で室内栽培したいちごを見学し、摘み取り体験もできる施設です。
水耕栽培の仕組みを学べる観光コンテンツとして、市観光協会と千葉大で植物工場研究を行う「ハンモ」が運営に関わります。
真夏でも完熟いちごが味わえる点を特徴とし、品種「よつぼし」などを栽培します。
体験は事前予約制で、11月末までの土日中心に実施し、入場料は大人1,100円・子ども550円(1人3粒)です。
参考URL:https://ichigono-gakkou.studio.site/
6. AGRISTと共立電照
AGRISTは共立電照と連携し、植物工場のLED(波長制御)とAI自動収穫ロボットを組み合わせたいちご栽培の実証を開始します。
圃場にはIoTセンサーを設置し、温湿度・CO₂・日射などのデータを収集して最適条件を特定します。
天候に左右されない周年の高品質供給と省力化で、担い手不足や気候変動への対応を狙います。
成果を基に1粒1,000円級の最高級ブランド「Miyazaki ICHIGO “M”」を開発し、ふるさと納税や高級ホテル等でテスト販売します。
参考URL:https://agrist.com/archives/12254
7. プランツラボラトリー株式会社PUTFARM
プランツラボラトリー(福島県田村市)は、耐降雪・耐風の屋内農場「PUTFARM」で大型いちご生産の自動化を2017〜2019年度に実証しました。
ビニールと鉄骨の簡易工法で短期設置でき、特殊金属膜で遮熱し温湿度を制御して多様な作物を育てます。
夏に供給が減るいちごを通年商品としてブランド化し、高級スーパーやレストラン向け販売を計画します。
GLOBALG.A.P取得支援も組み合わせ、PUTFARM SUPREMEは2020年度グッドデザイン賞を受賞しています。
参考URL:https://www.pref.fukushima.lg.jp/uploaded/attachment/451347.pdf
8. 株式会社smaconstyle全天候型イチゴ栽培コンテナ
株式会社smaconstyleの「全天候型イチゴ栽培コンテナ」は、コンテナ内に最適環境を再現し、季節や天候に左右されない安定栽培を実現します。
リーファーコンテナの高断熱・高耐久設計で台風や豪雪にも対応し、無農薬栽培で高付加価値のいちごを目指します。
マルハナバチ受粉、菌叢管理培地、特殊液肥などで高品質・高糖度を狙い、都市部や遊休地でも設置・増設しやすいのが特徴です。
さらにオフグリッド対応で運営コストを抑え、防災拠点や福祉(就労支援)連携にも活用できる導入フローを提示しています。
参考URL:https://smaconstyle.com/strawberry/
9. 株式会社アグリ王いちご栽培システム
アグリ王はアクポニと共同で、完全閉鎖型のアクアポニックスによる「いちご栽培システム」を開発し、2024年10月9日から販売予定です。
試験農場の実証で、農薬・化学肥料を使わず平均糖度15度のいちごを確認しました。
LED栽培ラックや水槽、濾過循環器等を一体化し、設置約5㎡〜・価格177万円〜で小規模や農福連携、飲食店併設にも対応します。
30株で約5.5kg/月の生産と、魚5〜10匹の養殖を想定します。
参考URL:https://agri-oh.co.jp/news/396
10. HarvestX
HarvestXは、人工光型植物工場でのイチゴ生産を中心に、AIロボティクスで「植物管理・授粉・収穫」を自動化する栽培ソリューションを開発・提供します。
ミツバチに頼らない全自動授粉で衛生性と安定生産を高め、世界初のロボットによるイチゴ自動授粉などの技術を強みにします。
植物工場向けの授粉・収穫ロボットを開発・販売し、日本品質のいちごを世界へ安定供給して持続可能な農業への転換に貢献する方針です。
東京大学発プロジェクトとして2018年に始まり、2020年に会社設立、浜松支店・浜松ファームも展開しています。
参考URL:https://harvestx.jp/
11. 日清紡ホールディングス あぽろべりー
日清紡ホールディングスの「あぽろべりー®」は、完全閉鎖型植物工場で栽培した高品質のいちごです。
気温・天候に左右されない屋内での量産栽培に、国内で初めて成功したとし(同社調べ)、栽培設備とノウハウもセットで提供します。
衛生管理を徹底した環境で育てるため洗わず食べられる点や、室温・空調・照明などの管理で味や色の個体差が少ない点を特長としています。
屋内栽培により安定供給を可能にし、環境センサーや画像AI、ロボット活用によるスマート化にも取り組んでいます。
参考URL:https://www.nisshinbo.co.jp/r_d/apolloberry/index.html
海外のいちごの植物工場の事例6選
次に海外のいちごの植物工場の事例を紹介します。
すでに事業を停止している植物工場もあります。
1. アメリカのOishii Farm
Oishii Farmは、天候や労働力不足に左右されない植物工場で、圧倒的に「おいしい」野菜・果物を安定生産し、手頃な価格で届けることを目指します。
自然の力とテクノロジーを融合し、無農薬・非遺伝子組み換えで通年供給する方針です。
特にいちごは、工場内でハチの自然受粉を用い、世界で初めて安定的な量産に成功したとしています。
2017年に古賀大貴氏らが創業し、日本の農業・工業技術を基盤にグローバル産業の創出にも挑戦します。
参考URL:https://oishiifarm.co.jp/
2. シンガポールのSingrow
アリアンテックはシンガポールのSingrow向けに、イチゴ植物工場の栽培システムを設計・構築しました。
Singrowのコンセプトに基づき、アリアンテック独自のLED照明と環境制御システムで栽培ラックを設計し、施設コンセプトの実現を支援しています。
対象施設は高さ約6mで、シンガポールで最も高い植物工場とうたっています。
Singrowは完全閉鎖型植物工場でイチゴを商業栽培し、果物の自給率向上と高品質いちごの安定生産を目指すとしています。
参考URL:https://www.arianetech-sg.com/jp/blog-headlines/blogcat59/blogart20
3. アイスランドのアイファーム株式会社
アイファーム株式会社はFUNDINNOで投資家94人から2,000万円を調達し、電力のほぼ100%が自然エネルギーで電気代が日本の約1/3のアイスランドに、密閉型植物工場で日本産いちごを生産する計画です。
カーボンニュートラルとIoT活用で安定生産し、欧州の富裕層向けに1粒約4ユーロでの高級ブランド化と先行優位の確立を狙います。
事業アドバイザーに堀江貴文氏を迎え、将来は観光施設やわさび工場、運営ノウハウの海外展開も目指します。
参考URL:https://fundinno.com/projects/479
4. ドバイのシャープ株式会社
シャープはUAEドバイの販売会社SMEF敷地内に、密閉・完全人工光型のイチゴ植物工場実験棟を設置し、2013年9月から実証実験を開始します。
LEDによる光制御とプラズマクラスターを活用した空気管理、温湿度モニタリングで生育環境を精密に制御し、栽培ノウハウのデジタル化で安定生産・高品質化を狙います。
傷みやすく海外流通が難しい日本産いちごを、栽培場所や季節に左右されない植物工場で現地通年生産し、「地産地消」の実現を目指します(実証期間は2013年7月〜2015年3月予定です)。
得られた技術・ノウハウを基に現地パートナーとエンジニアリング事業を推進し、大阪府立大学との共同研究や経産省の補助事業採択も背景にあります。
参考URL:https://monoist.itmedia.co.jp/mn/articles/1309/25/news021.html
5. 韓国のNEXTON
韓国・江原道太白市で、スタートアップ「NEXTON」がイチゴ専用の垂直型インドア農場を竣工し、2023年5月24日に準工式を行いました。
施設は5階相当・天井高約12mで、12段ラックによりイチゴを周年栽培し、報道では日量500kgの生産にも触れています。
第1段階で9棟中5棟から稼働し、全棟稼働時は年300t生産を見込むとしています。
今後は生産の60%以上を輸出し、5年間で売上220億ウォンを目標にすると述べています。
また同日、クウェートでのインドアファーム構築について2,000万ドル規模の契約も締結したと報じています。
参考URL:https://stock.mk.co.kr/news/view/132220
6. 韓国の高陽市
高陽市は利用が減った公共の地下歩道(マドゥ)を活用し、全国初の事例として密閉型のイチゴ・スマートファームを整備したと伝えています。
民間企業が約5億ウォンを全額投資し、約238㎡の施設にイチゴ苗3,420株を植え付けました。市民は透明窓越しに内部を見学できます。
イチゴ生育に最適化した光源・養液などを制御し、夏(7〜8月ごろ)の収穫に合わせて稼働、“夏いちご”のブランド化も計画しています。
さらに別の地下歩道(ペクセク)でも、栽培に加えて体験・教育やカフェ等を含む複合型スマートファーム(約400㎡)の構想を進めています。
参考URL:https://news.sbs.co.kr/news/endPage.do?news_id=N1008108915
いちごの植物工場の事例の特徴
いちごの植物工場の事例の特徴を紹介します。
いちごの強み
- 農薬を使用していないこと
- 雑菌が少ないこと
- 一年中、収穫できること
いちごの販売先
- 自社で直接販売
- 業務用として製菓メーカーへ通年出荷
- いちご狩り
いちごの栽培方法
- 室内の閉鎖空間で栽培
- 水耕栽培
- LEDの光で栽培
いちごの品種
- とちおとめ
- よつぼし
植物工場ビジネスを動画で解説
室内型植物工場ビジネスについて、動画でも解説しています。
こちらの動画はレタスなどの葉物野菜の植物工場ビジネスの話です。
まとめ
今回はいちごの植物工場の事例を紹介しました。
弊社ではいちごの植物工場のコンサルティングを行っております。
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