株式会社イチゴテックの宮崎です。
- いちごの旬は冬ですか?それとも春?
- いちごが一番美味しい時期はいつですか?
- いちごの値段が最も高くなるタイミングはいつ?
このような疑問を持っている人が多いと思います。
例えば、同じフルーツであるバナナやパイナップルは一年中売っていますよね?
でも、限られた時期にしか売っていない果物もあります。
例えば、サクランボは春、スイカは夏、リンゴは秋、みかんは冬しか売っていません。
では、苺がスーパーの店頭で販売されている時期は、いつでしょうか?
- 春でしょ!
- 冬から売っているよね!?
- 最近は秋から見かけるなぁ〜
- いろんなご意見があると思いますが、今から詳しくご説明します。
それから、「苺が一番美味しい時期」も気になると思うので、合わせて解説しますね。
苺の旬は初夏?冬?それとも春?
まずはイチゴの旬について考えてみましょう。
イチゴがスーパーで売られるのは12月から5月
イチゴは日本ではスーパーの店頭に、12月から5月まで並んでいます。
スーパーにより、多少時期は異なりますが、およそこれくらいの時期でしょう。
こちらに、大田市場のイチゴの月別取扱収量のグラフを用意しました。
これを見て頂ければ、イチゴが日本に流通している時期は12月から5月までだと納得してもらえるでしょう。
みなさんご存知の通り、冬から春の半年間は、誰でも美味しいイチゴが食べられます。
そのため、最近のイチゴの旬は「冬から春」と言えるでしょう。
本来、イチゴの旬は春だった
しかし、本来はイチゴが実を成らす時期は、おもに4月から6月の春でした。
日本でも30年ほど前には、冬の季節にイチゴが収穫できることは珍しかったんです。
なので、昔はイチゴの旬は「春だけ」でした。
日本で冬からイチゴが収穫できる理由
では、なぜ今では冬でもイチゴが収穫できるのでしょうか?
実は、日本のイチゴ栽培農家では、大型暖房機と二重ビニールハウスを使って春のような環境を作り出し、苺を冬に栽培しているからです。
そのため、現代はイチゴの旬をあまり感じられません。
「人工的な春」を作り出すことで、イチゴに春だと勘違いさせているんですね。
そのために、実は夏に「人工的な冬」も作り出しています。
真夏にイチゴの苗を作り、その苗を決まった時間と日数だけ真っ暗な冷蔵庫に入れることで、イチゴに冬だと勘違いさせているんです。
【実際の季節】
夏→秋→冬→春
【いちごが感じている季節】
冬→春→春→春
このように、農家が人工的な環境を作ることで、イチゴに季節を勘違いさせて、本来なら収穫できない季節にイチゴを収穫しています。
では、なぜ冬からイチゴを生産しているのか?
では、なぜわざわざイチゴを冬から生産しているのでしょうか?
だって、人工的な環境を作らなくても、春になれば天然の環境でイチゴが収穫できますよね。
わざわざイチゴを冬から生産する理由は、2つです。
【いちごを冬から生産する理由】
①日本人が初物好きだから
②クリスマスケーキ用にイチゴが必要だから
日本人は初物好き
日本人は季節の食べ物を大切にする文化があり、初めて食べる初物を有難がる風習があります。
そのため、5月に収穫されたイチゴよりも、4月のイチゴの方が価値が高くなります。
具体的にいうと、出荷された時期が早ければ早いほど、市場の卸価格が上がります。
そのため、昔は5月にしか出荷されていなかったイチゴですが、出荷が早くなりました。
まずは4月から、3月から、2月から、1月からと、どんどん早く出荷されるようになりました。
そして、ついには12月から出荷されるようになりました。
12月にはクリスマスケーキ用にイチゴの需要が高まる
また、みなさんご存知の通り、12月24日のクリスマス・イヴと25日のクリスマスには、日本中でクリスマスケーキが食べられています。
そして、クリスマスケーキにはイチゴが欠かせませんよね?
そのため、12月には日本中でイチゴの需要量が爆発的に増えるんです!
クリスマスケーキ用の需要に応えるためにも、日本ではイチゴが12月から収穫されています。
11月からは収穫できないの?
じゃあ、いっそのこと11月から収穫した良いんじゃない!?
と思われる方もいるでしょう。
実際、そのような動きは始まっていて、今では早い地域では11月から果実の収穫を始めています。
ただし、今の農業技術と経営的に考えてみると、11月以上の収穫前倒しはあまり得策ではありません。
6月から11月までのイチゴは、どこから来る?
日本のスーパーにイチゴが出回る時期は、12月から5月だと説明しました。
ただし、ケーキ屋さんに行くと、一年中、苺のショートケーキが売っていませんか?
6月から11月まではイチゴがないはずなのに、このイチゴはどこから来るのでしょうか。
6月から11月までは海外産の輸入イチゴが多い
もう一度、こちらのグラフを見ていただくと、6月から11月まではイチゴが海外から輸入されていることがわかります。
そうなんです、実は日本はイチゴを海外から輸入しているんです。
といっても、国内でイチゴが採れなくなる6月から11月まで限定ですが。
「えー、輸入イチゴよりも国産のイチゴが食べたいよ!」
と思う方もいらっしゃるでしょう。
安心してください、実は夏と秋に収穫できるイチゴもあるんです。
6月から11月まで出荷される夏秋イチゴもある
実は、6月から11月まで収穫できる特殊なイチゴもあります。
それは夏から秋に収穫できるので「夏秋(かしゅう)イチゴ」と呼ばれています。
なぜ、夏と秋に収穫できるかというと、このタイプのイチゴは普通のイチゴとは、花を咲かせる仕組みが違うからです。
普通のイチゴは「一季成り性イチゴ」というタイプで、夏秋イチゴは「四季成り性イチゴ」というタイプです。
夏秋イチゴは、特に夏場の気候が涼しい北海道や東北地方、長野県で生産されています。
6月から11月には、輸入イチゴと夏秋イチゴが使われている
というわけで、6月から11月には輸入イチゴと夏秋イチゴが使われています。
でも、このことはほとんどの日本人は知りません。
なぜかというと、夏と秋に使われるイチゴはケーキ屋さんなどの業務用だけなので、スーパーなどの一般人が買う場所では売られないからです。
そのため、普通の日本人にとってのイチゴの旬は、冬と春だけなんですね。
ただし、思い出してみてください。
- 夏や秋が誕生日の人の誕生日ケーキにも、苺が使われていませんでしたか?
- 夏や秋に結婚した人のウエディングケーキにも、苺が使われていませんでしたか?
おそらくみなさんは、知らないうちに輸入イチゴや夏秋イチゴを食べています。
じゃあ、いちごが一番美味しい時期はいつなの?
実は日本ではいちごが、一年中生産されているとわかってもらえたと思います。
では、いちごが一番美味しい時期はいつなのか、気になりますよね?
一番美味しい時期も解説しましょう。
いちごが一番美味しい時期は、1月
ずばり、いちごが一番美味しい時期は1月です。
なぜなのか、その理由を解説します。
春夏秋冬でもっとも美味しい時期は冬
まず、春夏秋冬の中で苺がもっとも美味しい時期は、冬です。
なぜかというと、いちごは果実が実ってから収穫されるまでの日数が長ければ、長いほど甘くなるからです。
この収穫されるまでの日数は、気温が低ければ低いほど長くなります。
なので、かんたんに説明すると、夏よりも春や秋の方が美味しく、冬が一番美味しくなります。
これは、どんな品種でも変わりません。
ただし、植物工場で室温を一定に保った場合には、季節の変化はなくなります。
12月から2月の中で一番美味しい時期は1月
そして、冬の12月から2月の中で、一番美味しい時期は1月です。
なぜかというと、12月は栄養が蓄えられているので株は元気なのですが、気温が少し高いので収穫までの日数が短くなります。
また、2月は気温は低いですが、それまでの収穫により株が消耗していることが多く、日照不足が原因で光合成が妨げられることもあります。
そして、1月は株が元気なままで日照不足にもならず気温が低いので、苺にとってベストなコンディションなのです!
というわけで、苺が一番美味しい時期は1月です。
海外ではイチゴは一年中生産される
ちなみに、海外の多くの国ではイチゴは一年中生産されています。
※そうでない国もあります
なぜかというと、一年中いちごが栽培しやすい場所で育てられるからです。
海外では季節の気温と日長の差がない地域があるので、一年中収穫できるんです。
例えば、熱帯地域にある高標高地域がこれに当たります。
いちごの旬の時期についての情報まとめ
苺の季節はいつなのか?
この問いの正解は、これです!
【ポイント】
- 昔はいちごの旬は、冬だった
- 今のいちごの旬は、冬と春
- ただし、実際には今の日本では苺が一年中収穫されているし、輸入もされている
- 海外では苺は一年中収穫できる地域が多い
苺の旬の時期情報は知られていないと思うので、ぜひ周りの人にも教えてあげてください。
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