
「いちごの促成栽培で、糖度が高くならなくて困ったな…」と思っていませんか?
- いちごの糖度を上げたい
- いちごの甘さを強くしたい
- いちごの品評会で上位入賞したい
- いちごを高級贈答品として販売したい
このような方は、ぜひ最後までお読みください。
この記事を読むと、いちごの糖度を上げる方法を把握でき、甘いいちごを作れます。
いちごが甘くなる条件
まずはいちごが甘くなる条件などを説明します。
「甘い」と「美味い」は別物
いちごの味は甘ければ甘いほど、美味しいわけではありません。
甘いと美味いは違います。
「あまおう」は「あかい・まるい・おおきい・うまい」の頭文字ですが、あまおうはまさに甘い品種ではなく、美味い品種だと思います。
あまおうの福岡S6号は、強烈な甘さがあるけではありませんが、完熟だと旨味を感じる品種です。
甘さと糖度が高いは別物
さらに細かい話をすると、人間が舌で感じる甘さと機械で測定する糖度には少し差があります。
人間が舌で感じる甘さには、酸味や温度、食感、香り、その人の体調、事前情報なども影響します。
特に影響が大きいのは、酸味と温度です。
酸味が強いと甘さを感じにくくなり、温度が低いと甘さを感じにくくなります。
同じ糖度のいちごでも、酸味や温度によって感じる甘さは変化します。
糖度計はBrix(ブリックス)という値を使い、およその糖度を表示します。
Brix(ブリックス)とは、主に果汁、飲料、ジャムなどの食品に含まれる可溶性固形分(糖分を中心に、酸、塩分など水に溶けている物質の総量)の濃度を、100gのショ糖水溶液に含まれるショ糖のグラム数(%)に換算して表す物理量です。
厳密にいうと、ショ糖以外の成分も含まれています。
甘いと大衆受けと品評会の審査員受けが良い
一般大衆受けを考えると、いちごは甘ければ甘いほど「美味しい」という評価を得やすいです。
品評会では大量の美味しいいちごを食べて、その中でわずかな差に点差を付けるので、「極端な甘さ」が美味しいと評価されやすいです。
糖度は「果実全体の果汁」を測定する
糖度を測定するときは、いちごの果実全体の果汁を測定する必要があります。
いちごは、果実の先端ほど糖度が高いです。
そのため、果実の先端だけを測ると異常に高い糖度になります。
成熟日数が長いほど糖度が高くなる
いちごの果実糖度は、成熟日数が長いほど高くなりやすいです。
成熟日数とは、開花してから収穫するまでの日数のことです。
この成熟日数は、温度が低いほど長くなります。
栽培環境で変わりますが、冬は45日前後、春は30日前後、夏は25日前後になります。
糖度が高いイコール儲かるとは限らない
高い糖度を求めると、デメリットもあります。
高糖度化を優先すると、収穫量が減る場合が多いです。
成熟日数を長くすることを優先すると、生育に悪影響を与える場合も多いです。
甘さを追求すると、出荷前のロスや出荷後のロスが増える場合が多いです。
イチゴ農園の経営を考えると、甘さを追求しない方が利益が大きい場合が多いです。
ほどほどの糖度のイチゴを低コストで大量生産するのが、最も利益が大きくなります。
日本の気候で甘さを最大化しやすいのは1月中旬から2月上旬
気候を「関東」基準で、いちごを最も甘くできる時期を考えてみましょう。
一般的には冬は開花から収穫まで45日程度です。
高糖度化を目指すなら成熟日数は、「60〜70日」を目指しましょう。
およそ2ヶ月間、低温でじっくり熟させるためには、12月や3月は条件が合いません。
12月は1月よりも気温が高く、3月も2月よりも気温が高いためです。
最高に糖度が高いいちごを目指すなら、収穫時期は1月中旬から2月上旬頃になります。
2月中旬頃からは日射が強くなり、気温も上がりやすいです。
1月中旬から2月上旬に、成熟日数を60〜70日かけて収穫するためには、11月上旬から12月上旬頃に開花させる必要があります。
その花房の花芽分化の時期は、10月上旬から11月上旬頃です。
早生品種なら第一次腋花房、晩成品種なら頂花房になります。
栽培管理や環境制御などの工夫は、遅くとも開花時期の前から始める必要があります。
要するに、真冬に甘いいちごを収穫するためには「10月」から準備が必要です。
良い苗を作るという意味では、春の親株育成期からですが。
1. 立地条件(寒くて晴天が多い地域)
まず、立地条件についてです。
冬に気温が低い(内陸部や中標高地)
冬に気温が低い地域ほど、甘いいちごを作りやすいです。
理由は、ハウス室温を低く保てるからです。
内陸部や標高が500〜700m程度のやや高い地域です。
極端な話、沖縄だと冬も温度が高いので高糖度化が難しいです。
北海道などの高緯度地域は寒さは十分ですが、冬は日の長さが短く、光合成不足になるので不利です。
海沿いの地域は夜の最低気温が高いことが多く、不向きです。
冬に晴天日が多い(太平洋側や瀬戸内海)
甘さの元は、光合成によって作られたデンプンです。
光合成が多いほど甘さの元が増えるので、光合成は大切です。
冬に光合成の足を引っ張りやすいのは、日射不足。
冬に晴天が多い太平洋側や瀬戸内海は有利な条件です。
日本海側は冬に曇天や降雪が多く、日射不足による光合成不足になりやすく不利です。
ただし、ハウス室温が上がりにくいので、ある程度の日射を確保できれば有利にもなります。
高所得者や高級いちごの購入者が多い地域に近い(都市近郊)
高糖度いちごの販売面も考えると、高所得者や高級いちごの購入者が多い都市近郊が有利です。
日本は首都圏の平均所得や所得の中央値が高いです。
外国人旅行者も東京に多く集まります。
関東なら、茨城県、千葉県、埼玉県、神奈川県、山梨県、東京都。
関東と関西で味の好みが違う
関東で消費されるいちごは、主に関東や宮城県、静岡県で生産されています。
関西で消費されるいちごは、主に九州で生産されています。
ダシや醤油などの調味料や食文化について、関東と関西は違いがあります。
その結果、いちごの味の好みも関東と関西で違います。
関東はジューシーで柔らかく、甘さが強いいちごを好む方が多いです。
関西はシャキッとした食感で、甘さと酸味のバランスが良いいちごを好む方が多いです。
いちごの品評会や贈答用としていちごを販売する場合、味の好みも考慮する必要があります。
品評会は一口でインパクトがある味が有利
いちごの品評会では、審査員は2〜3時間で、20〜50個ほどのいちごを食べます。
それぞれ、いちご半粒、もしくは一粒ずつ食べます。
品評会に出品されるいちごは、8割くらいは完熟で美味しい味です。
2割くらいは未熟で美味しくない物もあります。
8割くらいのいちごは完熟で美味しいのですが、その中で点数の差を付けないといけません。
そうすると、味にインパクトがあるものが有利になります。
具体的にいうと、「ガツン!と甘い味」です。
品評会にもよりますが、審査員の多くは「専業主婦などの一般消費者」です。
いちご農家や荷受業者、仲卸業者、小売店のバイヤー目線では、棚持ちやロス率などの優先度が高いですが、一般消費者目線ではそうではありません。
スーパーで買ったときに満足度が高いいちごは、「ガツン!と甘いいちご」です。
宮城県の「もういっこ」のように、何個もバクバク食べたくなるさっぱりした味は不利です。
例えば、料理対決でカレーで勝負をする場合、カレーは一皿すべては食べません。
カレーはスプーンで2〜3口しか食べません。
そうすると、「ガツン!と濃い味のカレー」が有利です。
華麗な食卓で、カレー対決のシーンが出てきます。
2. 品種選択(糖度が高い品種、酸味が少ない品種)
いちごは品種にとって糖度や酸度が違うため、品種選択が甘さに影響を与えます。
糖度が高い品種
高糖度化を目指すなら、糖度が高くなりやすい品種を選ぶのが肝心です。
しかし、都道府県の農業試験場で開発された品種は、その県でしか栽培できない場合が多いです。
- あまりん、かおりん、べにたま(埼玉県の限定品種)
- とちおとめ
- とちあいか(栃木県限定)
- やよいひめ
酸味がある品種
酸味がある品種で高糖度栽培をすると、甘さと酸味が濃い味になります。
甘酸っぱい味が好きな人向けです。
- 女峰
- さちのか
- おいCベリー
- 紅ほっぺ
- よつぼし
- あまおう(福岡県のブランド)
- 古都華(奈良県の限定品種)
味や香り、食感は好みが分かれる
いちごの味や香り、食感は品種の影響を強く受けますが、栽培環境などの影響も受けます。
そして、人によって味の好みは違うので、評価が分かれる場合があります。
3. 環境制御(室温、二酸化炭素、日射)
いちごの促成栽培はハウス栽培なので、環境制御によって味が変化します。
夜のハウス室温は0℃まで下げ循環扇を使う
成熟日数を長くするために、夜のハウス室温は「0℃」まで下げましょう。
夜の温度が0℃まで下がる寒い地域が有利です。
0℃以下になると果実が凍結し、腐ります。
厳密に言うと−2℃くらいまでは凍りませんが、ハウス室温はムラが発生するので0℃を目指すのが安全です。
循環扇を使って常に空気を動かして、温度のムラや凍結を防ぎましょう。
また、夜間に温度を下げることで呼吸を抑制でき、エネルギーロスを減らせます。
温度を下げると結露が発生しやすいですが、節水栽培をすれば結露も減らせます。
温度を下げると、うどんこ病も発生が減ります。
昼のハウス室温は23℃以上に上げないように換気

朝から昼のハウス室温は、「23℃」を目安に換気をしましょう。
光合成効率が良い温度帯が23〜25℃程度だからです。
温度は直射日光が当たらない場所で、通風を行い、高さ1.5m程度で測定してください。
成熟日数を長くするために、昼の温度を上げすぎないようにしましょう。
ただし、昼の温度を上げないと草勢が低下し、葉が矮化し、葉柄や花房が短くなります。
その結果、休眠に入り、収穫量が低下しやすいです。
特に高設栽培の場合、地温が土耕栽培よりも低くなり、草勢低下が起きやすいです。
電照やジベレリン処理を行いましょう。
晴天が多く日射量が多いが、外気の最低気温が低い寒い場所だと、換気開始時刻を遅くでき有利です。
換気開始までの二酸化炭素濃度は1,200ppm

朝から換気開始までの二酸化炭素濃度は1,200ppmにしましょう。
光合成を最大化するためです。
換気をすると外気と同じ420ppm程度になります。
土耕栽培の場合は、微生物の働きで土壌から二酸化炭素が発生します。
しかし、低温管理をすると微生物の活動が低下し、二酸化炭素の発生量が減ります。
高設栽培の場合は土壌からの二酸化炭素の発生がないので、二酸化炭素発生器が必須です。
火鉢とオガ炭を組み合わせることでも、低コストで二酸化炭素施用ができます。
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フィルムの透光性を上げて日射を最大化
冬の促成栽培では、光合成に「光(日射)」も強く影響します。
屋外の日射量は天気(雲の量)の影響が強く、立地条件が強く影響します。
実際にいちごが受け取るハウス内の日射は、ハウスの外張りフィルムと内張りフィルムの影響を強く受けます。
フィルムが汚れていて透光性が低いと、せっかくの日射を「遮光」してしまいます。
フィルムを洗ったり、交換して遮光を防ぎましょう。
細霧冷房やミストで午前の飽差を最適化

ハウス内が乾燥すると気孔が閉じて、二酸化炭素を吸収できなくなります。
二酸化炭素が吸収できないと光合成が減ります。
気孔を開けるために、飽差を最適化させる必要があります。
潅水も有効ですが、高糖度化を目指すために節水した方が良いので、潅水は控える必要があります。
そのため、細霧冷房やミストを使い飽差を最適化しましょう。
土が乾燥していると、植物が水不足から身を守るために、気孔が閉じやすいです。
23℃の場合、湿度は80%が理想です。
ただし、優先度は低いので、なしでも構いません。

培地加温(温湯管)で根域の温度を上げる
ハウス室温を低めに管理すると、特に高設栽培で根の活性が下がり、根からの肥料成分の吸収が悪くなります。
そうすると、光合成が抑制されたり、チップバーンやガク枯れなどの問題が起きます。
高設栽培は土耕栽培と比べて根域の温度が低くなりやすいためです。
高設栽培なら温湯管で培地加温をしましょう。

4. 肥培管理(肥料と潅水, 土づくり)
肥培管理もいちごの味に影響します。
特に水管理が甘さに強く影響します。
潅水量を少なくして土を乾燥気味
糖度は「可溶性固形分(糖分を中心に、酸、塩分など水に溶けている物質の総量)の濃度」です。
そのため、果実の水分が少なければ少ないほど、糖度は高くなります。
糖度を上げるためには、水分を減らすことが有効です。
そのために潅水量を減らしましょう。
デメリットとして、果実が小さめになったり、草勢が劣ったり、カルシウム不足によるチップバーンが発生しやすくなります。
トマト栽培の高糖度化を行う、フルーツトマト栽培と基本は同じです。
フルーツトマトでは土壌に「土壌水分センサー」を刺して、土壌を安定的な乾燥状態に保ちます。
pFメーターでも良いですが、土壌水分センサーの方がわかりやすいです。
畝や栽培槽の排水性を良くする
潅水量が少なくても、排水性が悪いと水が溜まり、いちごが吸収できる水分が多くなります。
土耕栽培なら排水性を良くする土壌改善を行い、畝を高くしましょう。
高設栽培なら栽培槽の排水性を良くしたり、排水性が良い栽培槽を選びましょう。
土耕栽培はハウスへの雨水の侵入を防ぐ
土耕栽培の場合、雨水の侵入も水分を増やします。
ハウスの周辺に暗渠や明渠を設置し、雨水の侵入を防ぎましょう。
廃プラスチックが原料の「U字溝」をこの動画で紹介しています。
窒素リン酸カリ肥料は多すぎず少なすぎず
いちご栽培で最も重要な窒素リン酸カリの肥料は、多すぎず少なすぎず適量を施用しましょう。
潅水量を減らすと施肥量も減ります。
養液栽培なら、給液ECを高くしましょう。
ただし、窒素が多すぎると他の肥料成分の吸収を阻害したり、エグみが強い味になります。
特に、厳寒期や曇天時期のいちごにエグみがある場合は、「窒素過多」が原因です。
窒素が多すぎると、先白果や鶏冠果が増えます。
土耕栽培の窒素の元肥は減らして、養液栽培のECは低めにしましょう。
リン酸やカリも多すぎると微量要素の吸収を阻害します。
微量要素や微生物を多くする
いちごの味を良くするためには、微量要素が重要です。
土耕栽培であれば、堆肥などの有機肥料や、微生物の餌や住処になる有機物の土壌改良材を施用しましょう。
牛ふん堆肥、バーク堆肥、ヤシガラ、籾殻くん炭、稲わら、腐葉土、魚介類素材の土壌改良材などです。
土耕栽培の場合は、微生物が住みやすい環境を整えてあげましょう。
ハウス室温を低温にすることで、微生物の活動が抑えられますし、根の活性も低下します。
その結果、微量要素不足になりやすいので、普通の栽培よりも意識しましょう。
高設ベンチの養液栽培の場合も、液体肥料には微量要素が含まれていますが、潅水量を減らすことで結果的に微量要素不足が起きやすいです。
養液栽培の場合は、葉面散布で微量要素を補いましょう。
カルシウムやケイ酸肥料を使い果実硬度を維持
カルシウムやケイ酸が不足すると、果実が柔らかくなりやすいです。
過熟で収穫するためには、過熟でも果実の硬さを維持する必要があります。
そのために、通常のいちごよりも硬さを意識した栽培が必要です。
カルシウムやケイ酸を元肥として使用し、秋の段階から準備しましょう。
冬に節水栽培をするとカルシウムやケイ酸の吸収が減るので、追肥でも与えましょう。
畑のカルシウムには、カルシウムが豊富に含まれているので、元肥におすすめです。
カルタスにはカルシウムが豊富に含まれているので、追肥におすすめです。
イネニカにはケイ酸が含まれているので、元肥におすすめです。
バリカタ!にはケイ酸が含まれているので、追肥におすすめです。
5. 葉面散布で微量要素を補う
味を追求する場合は、葉面散布で葉からも栄養を補いましょう。
低温管理や節水栽培をすることで、微量要素の吸収が妨げられます。
その微量要素を葉面散布で補います。
結実期は微量要素を定期散布
ハウス室温を低温にすることで、微生物の活動が抑えられますし、根の活性も低下します。
その結果、微量要素不足になりやすく、甘さ以外の「食味」が低下します。
不足しがちな微量要素は、葉面散布で補うのが有効です。
特に糖度を上げるために節水栽培すると、根からの肥料吸収が悪くなります。
そのため、葉面散布で葉から補う必要が出てきます。
特に実ができ始めた結実期から収穫までは、週に1回程度、定期的に散布しましょう。
アミノメリット黄色には、微量要素のマンガン、ホウ素、鉄、銅、亜鉛、モリブデンが含まれています。
鉄欠乏の症状が出た場合は、鉄力あくあを葉面散布しましょう。
亜リン酸肥料を使う
低温管理をすると、リン酸の吸収が悪くなります。
そのため、リン酸不足が起きやすいです。
リン酸よりも吸収が早い、亜リン酸肥料を使うのがおすすめです。
また、マグネシウムはカルシウムの吸収を助けてくれます。
ステビア肥料を使う
人工甘味料の原料になるステビアを使った肥料を使うと、甘くなりやすいです。
人工甘味料の成分(ステビオール配糖体)がいちごの果実にそのまま入るわけではありませんが、ステビア肥料を使うと「独特の甘い味」になることが多いです。
静電ノズルやハウススプレーを使う
せっかく節水栽培をして水の吸収を抑えても、葉面散布で大量に水を与えては意味がありません。
大量の液体肥料をかけると潅水と同じことになるので、静電ノズルやハウススプレーで少量をかけましょう。
6. 栽培管理(株間を広く摘花で養分集中)
次に栽培管理のポイントを紹介します。
栽培管理とは、芽かき、葉かき、摘花などの管理のことです。
栽植密度は少なく(株間は広く)
面積あたりの栽培株数(栽植密度)は少なくしましょう。
「株間を広くする」という意味です。
株間が狭いと、光や肥料、水、根の根域を隣同士で奪い合います。
一般的にはいちご栽培では株間は20cm程度にすることが多いです。
甘さを最優先にするなら、株間は30cm程度に広げましょう。
芽かきで芽数を少なく

芽かきをすることで芽数を減らせます。
甘さを最優先するなら芽数は1個にして、「一本仕立て」にしましょう。
芽数が多いほど花房数が多くなり、養分が分散するためです。
摘蕾や摘花で着果数を少なく

摘花を行い、花房あたりの着果数を少なくしましょう。
一般的にはいちごは、花房あたり7〜20果程度を付けることが多いです。
甘さを重視するなら、「花房あたり3果」程度に摘花しましょう。
摘花をすると、光合成産物のシンク器官が減り養分が集中するので、糖度が高くなります。
受粉状態を見極めて摘果
摘花するタイミングは、蕾や花の段階が理想的です。
理由は養分を無駄にしないためです。
しかし、そうすると受粉の状況を確認せずに摘花することになります。
摘花のタイミングを遅らせて、受粉が正常にできた小さな実を残して、奇形になりそうな実を摘み取るのもおすすめです。
葉面積は維持しつつ古い葉は取る

光合成を十分させるために、葉は多めに残します。
葉は光合成のソース器官です。
一本仕立てなので、葉は7枚ほど残しましょう。
株間は30cmなので隣の株とは葉が重なりません。
玉出しで直射日光を当てて果皮を硬く

玉出し作業を行い、果実に直射日光を当てましょう。
直射日光を当てることで果実が硬くなり、完熟の先の過熟を目指せます。
直射日光を当てると春だと実が赤くなるのが早くなりますが、冬なら日射が弱いので問題ありません。
玉出し棒を使って、実の上にある葉をどかしましょう。
7. 収穫のタイミングを遅くして完熟
最後に、収穫のタイミングを紹介します。
未熟→完熟となりますが、その先にある「過熟」を目指しましょう。
果実の下にクッションを敷く
果実が土耕栽培の畝や高設ベンチのマルチに乗っていると、傷みやすく赤色が付きにくいです。
フルーツキャップを下に敷いて、傷みを防ぎましょう。
完熟もしくは過熟で収穫する

市場流通のいちごの多くは、未熟な状態で収穫します。
そうしないと輸送中に傷みやすいためです。
着色具合でいうと、7〜8割着色くらいで収穫します。
甘さを重視するなら、完熟もしくは過熟で収穫しましょう。

完熟とは、ヘタの間際まで真っ赤になった状態で、10割着色です。
過熟とは、10割着色からさらに数日収穫しない状態で、12割着色くらいのドス黒いいちごのイメージです。
ヘタ間際まで真っ赤になってからさらに3〜5日待つ

ヘタ間際まで真っ赤になり完熟したら、そこで収穫したくなりますが、収穫するのを我慢しましょう。
そのまま3〜5日ほど我慢して、「過熟」を目指します。
発酵臭がするほど過熟を目指す

この状態のいちごは発酵臭がします。
日本酒などのお酒のような香りです。
いちごの先端が腐り始めています(人体に悪影響がなければ発酵です)。
ツルを長く残して収穫する
完熟や過熟にすると実に触っただけで傷みます。
そのため、ヘタの上のツルを持って、そのツルを長く残して収穫しましょう。
「ツル付きいちご」といって、完熟の証です。
選別で傷んだ果実を取り除く

この収穫のタイミングだと、10個中2個くらいは腐って食べられない可能性があります。
傷まなかったいちごの中で、状態が良いものを出荷しましょう。
ゆりかーごやスポンジシート, フルーツキャップで果実を厳重に梱包

パック詰めするときには、長いツルを切り落としても構いません。
出荷するときはゆりかーごを使いましょう。
平トレーなら下にスポンジシートを敷きましょう。
フルーツキャップを被せて化粧箱に入れるのもおすすめです。
プチプチで箱の周りもクッション
箱を出荷するときには、段ボール箱の周りもプチプチシートを付けるのがおすすめです。
箱の外側にもプチプチシートを付けると、衝撃緩衝性が高くなります。
輸出や長距離輸送はしない
周辺県への輸送は可能ですが、遠方への輸送はおすすめしません。
例えば、関東から関西への輸送、九州から関西への輸送、日本から香港への輸出などです。
甘さを最優先すると、普通のいちごよりも傷みやすいためです。
動画でも解説
いちごを甘くするコツを動画でも解説しています。
動画の方がより詳しく説明しているので、ぜひ観てみてください。
まとめ
今回はいちごの甘さを最優先させる場合の栽培方法や出荷方法を紹介しました。
このような方法は収穫量を減らし、ロスを増やすのでおすすめしません。
品評会や自分用、友人用、実験としてお試しください。
ただし、品評会の審査員の味の好みによっては、「過熟」は嫌がられる可能性があります。
贈答用の大量生産であれば、甘さへの追求はほどほどにしましょう。
収益性を優先する場合は、甘さは過度に追求しないようにしましょう。
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