いちごの形や色がおかしい!
いちごに傷が付いている!
と悩んでいる方向けに、いちごの奇形果や異常の種類をご紹介します。
いちごの花芽分化から花芽形成までが原因
まずは、いちごの花芽分化から花芽形成までの期間に原因がある異常果です。
- 乱形果
- 鶏冠果
- 先白果
- 先青果
- 先詰まり果
- 花芽の低温障害
- 花芽の高温障害
- 花粉稔性の低下
- 雄しべがない花
- 雌しべの葉化
乱形果、鶏冠果、先白果、先青果、先詰まり果
乱形果、鶏冠果、先白果、先青果、先詰まり果は、窒素過多が原因で発生します。
肥料が多すぎると発生率が高くなります。
花芽の低温障害、高温障害
花芽分化から花芽形成期間中に低温や高温になると、花に障害が起きます。
花がまだ花になる前の段階で、クラウンの中にある状況でも温度の影響を受けます。
例えば、0度以下の低温や35℃以上の高温で発生が多くなります。
異常が起きると受粉できない花粉や雌しべになります。
花の外観に異常ができることもあります。
花粉稔性の低下
花粉稔性が低下する原因は、低温や高温もありますが、低日照も原因になります。
遮光シートなどで強く遮光すると光合成が抑制されて、花粉稔性が低下します。
花粉稔性が低下すると、花粉が雌しべについても受精しにくくなります。
花の雄しべがない、雌しべの葉化
花の雄しべがない花や、雌しべから葉が出てくる花ができることもあります。
異常な低温や高温、肥料不足などの環境ストレスで発生率が高くなります。
いちごの開花から受粉までが原因
次はいちごの開花から受粉までの期間に原因がある異常果です。
- 奇形果(受精不良、不受精)
- 色ムラ果(受精不良、不受精)
- ハチの過剰訪花
- 花の低温障害
- 花の高温障害
- ヘタのチップバーン
- アザミウマの食害
- ホコリダニの食害
- ガの幼虫の食害
奇形果、色ムラ果
奇形果や色ムラ果は受粉がうまくいかないことが原因です。
厳冬期や曇天日が続くことで、ハチの受粉行動が少ない場合に起きやすいです。
もしくは、花自体に異常が発生していて受精できない場合もあります。
ハチの過剰訪花
セイヨウミツバチやクロマルハナバチの受粉行動が多すぎると、花が傷つけられて奇形果になります。
ハチの種類ごとに適切な頭数が決まっているので、合った巣箱を使用しましょう。
花の低温障害、高温障害
花の段階でも低温障害や高温障害が起きます。
例えば、0度以下の低温や35℃以上の高温で発生が多くなります。
台風や強風対策としてビニールハウスを締め切った後に、ハウスが高温になり高温障害が発生しやすいです。
加温機や内張りの故障などで厳冬期の夜間に加温されなかったときに、ハウスが低温になり低温障害が発生しやすいです。
ヘタのチップバーン
カルシウム不足や湿度の大幅な変動で、ヘタのチップバーンが発生しやすいです。
窒素過多や加温機の使用でも発生が助長されます。
アザミウマの食害
花の雌しべにアザミウマが寄生すると、果実が茶色く汚れ、硬くなります。
ホコリダニの食害
成長点にホコリダニが寄生すると、果実が茶色く汚れ、硬くなります。
ガの幼虫の食害
ガの幼虫は花を食べるので、傷をつけられます。
いちごの結実から収穫までが原因
次にいちごの結実から収穫までに原因がある異常果です。
- 過熟果(腐敗、発酵果)
- 白ろう果
- 着色不良果
- 果実の低温障害(凍結、腐敗)
- ヘタ下伸び果
- ヘタ下割れ果
- ヘタ割れ果
- 風や人の作業による傷
- 除草剤の誤散布
- うどんこ病
- 灰色かび病
- ナメクジの食害
- 鳥の食害
- ハクビシンやアライグマの食害
- ドブネズミの食害
- ハツカネズミの食害
過熟果
収穫適期を過ぎて過熟状態になると、発酵したような味と香りになります。
白ろう果
曇天などの低日照が続くと、白ろう果が発生しやすいです。
品種によって出やすさが大きく異なります。
着色不良果
厳冬期の低温が続くと、赤く色がつかなくなります。
ハウスの温度や地温が低いこと、日射が弱いこと、果実がマルチに触れていることなどが原因です。
葉の影に実ができると色づきが悪いので、玉出しスティックで玉出し作業を行います。
果実の低温障害
果実がなったあとに-2℃以下の低温になると、低温障害が起きます。
ハウス内の温度が低い場所で、果実の腐敗や変色が起きやすいです。
ヘタ下伸び果、ヘタ下割れ果、ヘタ割れ果
果実のヘタ付近に割れが伸長が起きます。
過熟で起きやすいので、完熟採りの証とする農園もあります。
品種によって出やすさが異なります。
風や人の作業による傷
強風の後や人が芽かきなどの作業をした後に、果実に傷がつくことがあります。
これは果実が物理的に何かにぶつかったことによる傷です。
除草剤の誤散布
除草剤が果実にかかると、果実の色が脱色します。
ハウス内で除草剤を散布する時に風などでいちごの実にかかると発生します。
うどんこ病
うどんこ病がつくと、白い粉のようなカビがつきます。
発生は3月から5月が多いです。
灰色かび病
灰色かび病が発生すると、果実が灰色のかびに覆われて腐ります。
灰色は1月から2月が多いです。
ナメクジの食害
ナメクジに食べられると、果実に丸い穴が空きます。
スラゴのような農薬で駆除します。
鳥の食害
鳥がいちごを食べると、クチバシの痕が残ることが多いです。
ハウスに防鳥ネットや防虫ネットを設置していない場合も起きやすいです。
ハクビシンやアライグマの食害
ハクビシンやアライグマがハウス内に侵入していちごを食べることがあります。
酢などの臭いが強い忌避剤を散布するか、罠を仕掛けて捕獲しましょう。
ドブネズミの食害
ドブネズミがいちごを食べるときは、いちごの実を食べます。
ハツカネズミの食害
ハツカネズミがいちごを食べるときは、いちごの種だけを食べます。
いちごの予冷から輸送中が原因
いちごの予冷から輸送中に原因がある異常果です。
- 低温障害(クール便、冬の常温輸送)
- 高温障害(春から秋の常温輸送)
- 擦れ、アタリ
- 振動によるジャム化、腐敗
低温障害
クール便で輸送中に果実が黒ずんだり、凍結する低温障害を起こすことがあります。
冬期に東北や北海道へ常温輸送すると、低温障害を起こします。
高温障害
春から秋に常温輸送すると、果実が黒ずんだり、腐ったり高温障害を起こすことがあります。
擦れやアタリ
容器が普通のいちごパックで長期輸送に向かないものだと、擦れやアタリが発生して果実が傷みます。
プチプチやスポンジシートが不十分な場合も起きやすいです。
振動によるジャム化や腐敗
輸送中に振動が強いと、その振動で果実が傷んでジャムのように果汁を出し、腐敗します。
いちごの果実の異常まとめ
今回はいちごの果実異常の種類を紹介しました。
詳細はそれぞれのページをご覧ください。
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