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いちごの形が変で困っていませんか?

せっかく綺麗ないちごができたと思ったら、色にムラがあってがっかりしていませんか?

それはズバリ、受粉不良による奇形果(きけいか)や色ムラ果(いろむらか)という症状です。

今回は奇形果と色ムラ果で悩んでいる人のために、その原因と対策をご紹介します。

いちごの奇形果と色ムラ果とは?

まずはいちごの奇形果と色ムラ果について説明します。

奇形果(きけいか)とは

奇形果とは、いちごの形が変になる異常果です。

綺麗な三角形ではなく、いびつな形になります。

花托の異常によるゴツゴツの場合は、奇形果とは呼びません。

それは乱形果や鶏冠果と呼ばれる異常です。

いちごの形がゴツゴツ先端が四角形!乱形果と鶏冠果の原因と対策

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色ムラ果(いろむらか)とは

色ムラ果とは、いちごの色がムラになる異常果です。

いちごの実に赤色の部分や白色の部分ができます。

ヘタの近くだけ白色の場合はただの未熟な果実なので、色ムラではありません。

白ろう果は全体に果肉が白っぽくなり、種の部分が赤くなるので、色ムラ果ではありません。

厳冬期の低温や低日照が原因で着色不良になる場合もありますが、それは着色不良果といいます。

イチゴの奇形果と色ムラ果ができる原因

次に、奇形果と色ムラ果ができる原因を説明します。

奇形果と色ムラ果の直接的な原因

奇形果と色ムラ果の直接的な原因は、受粉の異常です。

受粉とは、いちごの花の雌しべに雄しべの花粉がつき、受精すること。

いちごは種が受粉することで、果実が膨らんだり赤くなります。

奇形果と色ムラ果の原因は、肥料や株の栄養状態では、ありません。

ミツバチの受粉行動が少なすぎる

奇形果と色ムラ果の直接的な原因は、受粉が異常なことです。

その原因は、ミツバチの受粉行動が少なすぎる場合が多いです。

いちご栽培の受粉には、セイヨウミツバチやクロマルハナバチが使用されています。

珍しいケースですが、ヒロズキンバエを使ったり、ブロワーなどの手作業で受粉する場合もあります。

要するに、ミツバチの受粉行動が少ないと、奇形果や色ムラ果が増えます。

特に気温が低く晴天日が少ない12月から2月の間に、ミツバチの受粉行動が少なくなります。

ビニールハウスのサイズが大きい場合、栽培株数が多い場合、ミツバチの頭数が少ない場合に、奇形果や色ムラ果の発生が多くなります。

ミツバチの受粉行動が多すぎる

逆に、ミツバチの受粉行動が多すぎる場合も、奇形果や色ムラ果が増えます。

ミツバチの受粉行動が多すぎることは、「過剰訪花」と言います。

過剰訪花が起きると、雌しべがハチによって傷つけられ、雌しべの一部が受精できなくなります。

その結果、奇形果や色ムラ果になります。

特に気温が高く晴天日が多い11月と3月から4月の間に、ミツバチの受粉行動が多くなります。

ビニールハウスのサイズが小さい場合、栽培株数が少ない場合、ミツバチの頭数が多い場合に、奇形果や色ムラ果の発生が多くなります。

ビニールハウスの温度が高すぎる

ビニールハウスのハウス室温が高すぎると、花粉や雌しべが高温障害を受け、受精できなくなります。

その結果、奇形果や色ムラ果になります。

高温障害を受けるハウス室温の目安は、35℃以上です。

ビニールハウスの温度が低すぎる

逆にビニールハウスのハウス室温が低すぎても、花粉や雌しべが低温障害を受け、受精できなくなります。

その結果、奇形果や色ムラ果になります。

低温障害を受けるハウス室温の目安は、0℃以下です。

強い遮光で花粉稔性が低い

ビニールハウスに強い遮光を行うと、光合成量が低下し、花粉稔性が低下します。

花粉稔性が低下すると受精しにくくなるので、奇形果や色ムラ果が発生します。

ビニールハウスの高温対策として、強い遮光を行うと奇形果や色ムラ果が増えます。

品種の差

奇形果と色ムラ果の発生率には、品種の差もあります。

奇形果と色ムラ果が発生しにくい品種や発生しやすい品種があります。

花粉の量が少ない品種は、奇形果が発生しやすいです。

果皮の赤色のコントラストが強い品種は、色ムラ果が発生しやすいです。

いちごの奇形果と色ムラ果を減らす対策

次に奇形果と色ムラ果を減らす対策を説明します。

ミツバチの受粉行動を適正化する

受粉がうまくいかない原因は、ミツバチの受粉行動が多すぎるか、逆に少なすぎることです。

そのため、ミツバチの受粉行動を適正化することで、奇形果や色ムラ果を減らせます。

セイヨウミツバチやクロマルハナバチの放飼頭数をビニールハウスのサイズに合わせましょう。

ビニールハウスの温度を適正化する

ビニールハウスの温度を適正化することで、高温障害や低温障害を防げます。

35℃以上や0℃以下は避けましょう。

ビニールハウスの遮光を適正化する

ビニールハウスの遮光を適正化することで、花粉稔性の低下を防げます。

特に花芽分化後の花芽形成期間中の強い遮光は避けてください。

奇形果と色ムラ果はメリットがない

奇形果と色ムラ果にはメリットはありません。

生育の良い証になるものでもありません。

とにかく奇形果と色ムラ果は減らしましょう。

いちごの実の形と色の異常まとめ

今回はいちごの奇形果と色ムラ果の原因と対策をご紹介しました。

いちごの病気や害虫についても解説している記事があるので、ぜひ読んでみてください。

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