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冬にイチゴなどの野菜をハウス栽培をしていると、燃料費を減らしたいですよね。

  • 冬の燃料費が高すぎて困っている
  • 重油の注文をするのが嫌すぎる
  • 燃料費をどうにかして抑えたい

と困っている農家が多いです。

経営改善のためには燃料費を削減したいですが、かといってただ燃料を減らすだけだとダメです。

生育が悪くなり収量が減り、利益減少に繋がるからです。

そのため、イチゴなどの野菜の草勢を維持しながら燃料費を節約する必要があり、それが難しいんですよね。

そこで今回は、冬のハウス栽培の燃料費を節約する方法を25個も紹介します。

イチゴ栽培の話がメインですが、他の野菜や果樹の栽培にも参考になる部分が多いと思います。

この記事を最後まで読むと、ハウスの冬の燃料費を節約する方法を網羅的に理解でき、燃料費を節約できて利益が増やせます。

ハウスの気密性を高める系3種類

ハウスを気密性を高めることは意外とやっていない人がいて、もったいないです。

特に新規就農者や企業の農業参入農園は、疎かにしがちです。

今すぐ、ハウスの気密性をチェックしてください。

1. ハウスの外張りの隙間風をなくす

  • 外張りに穴が空いていたら塞ぐ
  • 扉に隙間があれば塞ぐ
  • 屋根に空動扇を付けていたら閉じる

例えるならば、こたつの電源が入っているので、こたつ布団がズレて熱が外に逃げている状態です。

そのようなこたつだと入っていても、寒くなって不快ですよね。

ハウスの穴や隙間を塞いで、冷たい冷気がハウス内に入らないようにしましょう。

2. ハウスの内張りの隙間風をなくす

  • 内張りの隙間を塞ぐ
  • 内張りの地面とスレスレの裾の隙間を塞ぐ
  • 内張りの妻面側の出入り口の隙間を塞ぐ

隙間から温風が外に逃げているのは、お金が逃げているのと同じです。

隙間風は絶対に許してはいけません、「親の仇」だと思いましょう。

燃料費を節約するためには、気密性が高いハウスが絶対条件です。

加温や断熱性を考えるよりも先に、最初は「気密性」を完璧にしてください。

気密性を高めることは、すでにあるハウスと内張りだけでできます。

お金はほとんどかからないので、最初に取り組みましょう。

3. ハウスの周辺に防風ネットを付ける

ハウスに強い風が当たっていると、隙間風が生まれやすいです。

また、空気が流れることで、ハウスの表面の熱を奪い続けるので、ハウス内部の熱が下がりやすいです。

風が強い場所にハウスが建っている場合は、ハウスの周辺や風上に防風ネットを設置しましょう。

防風ネットは単管パイプで骨組みを作り、強風で吹き飛ばないようにします。

また、防風林も有効なので、防風林があればその風下にハウスを建てましょう。

ハウスの断熱性を高める系7種類

ハウスの気密性が完璧になったら、次は断熱性を高めることを考えましょう。

断熱対策は初期投資はかかりますがランニングコストがかからないので、おすすめです。

4. 内張りや二重カーテンで体積を小型化

ビニールハウスの中に、もう一つの骨組みを作り内張りを作りましょう。

ハウスを二重構造にすることで、ハウスの体積を小さくでき、暖房効率が上がります。

大型ハウスの場合は、水平カーテンで体積を小さくします。

また、水平カーテンを二層式や三層式にすることで、暖房効率をさらに上げられます。

特に北日本などの寒さが厳しい地域では、二重カーテンが人気です。

カーテンには、「透光性が高いカーテン」と「遮熱や遮光の効果が高いカーテン」を選択します。

デメリットは、初期費用が大きいこと、透光性が低くなることです。


5. 空気膜二重フィルムで空気で断熱

外張りのフィルムを二重にして断熱性を高める方法です。

外張りフィルムを二重に加工して、そのフィルムの間にPCファンで風を送って膨らませます。

そうすると、外張りフィルムの間に空気の膜ができて、断熱性が高まります。

フィルムの加工は、農業資材屋さんに依頼してください。

内張りも合わせると、三重構造になります。

主に北海道などの寒冷地のパイプハウスで使われている設備です。

デメリットは、フィルムが破れたり、PCファンが故障しやすいことです。

6. スタイロフォームで側面を覆う

内張りの側面をスタイロフォームで覆って、ハウスの側面の断熱性を高める方法です。

スタイロフォームは耐久性が高い発泡スチロールのような物で、家屋の断熱材として使われています。

スタイロフォームはホームセンターで売っていて、軽トラがあれば運べます。

丸鋸があれば切断も簡単なので、使い勝手が良いです。

デメリットは、設置と撤去に時間がかかること、ハウスの側面の日射が大幅に減少することです。

7. 断熱性が高い内張りフィルムを使う

パイプハウスの内張りには、POフィルムを使うことが多いです。

そのPOフィルムの代わりに、断熱性が高い内張りフィルムを使う方法です。

エコポカプチ、サニーコートソフト、スカイコート5エアプラスのような商品があります。

これらはプチプチのような構造で、フィルムの間に空気の層があります。

空気は熱伝導率が低いので、それを利用した断熱性が高いフィルムです。

デメリットは、POフィルムよりも巻き取り径が大きくなること、POフィルムよりもコストが高いこと、透光性が低いことです。


8. 韓国製の布団カーテンや羽毛布団カーテン

断熱性がとても高い内張りとして、布団カーテンや羽毛布団カーテンもあります。

これらの商品は韓国製で、韓国の施設園芸で人気の商品です。

シートの中に綿や羽毛が織り込まれていて、間に空気の層があるので断熱性が高くなります。

人間も布団や羽毛布団を被ると暖かくなりますよね。

それと同じ理屈です。

夏の遮熱の目的でも高い効果を発揮します。

デメリットは、POフィルムよりも巻き取り径が大きくなること、POフィルムよりもコストが高いこと、透光性が低いことです。

9. 地中に断熱材を埋め込み土の保温

ハウスを建てる前に地中に断熱材を埋め込む方法もあります。

ハウスの骨組みの周囲に断熱材を埋め込み、ハウス内の土がハウス外の土で冷やされないようにします。

特に、地面で野菜やイチゴを育てる「土耕栽培」で効果が高いです。

主に北海道などの寒冷地で使われている技術です。

デメリットは、ハウスを建設する前に施工が必要なこと、断熱材が少しずつ地表に出てくることです。

10. 水の断熱性を使うウォーターカーテン

内張りの上に一晩中、井戸水を流し続けて、水の断熱性で保温する技術です。

地下水が豊富な栃木県で人気の断熱技術です。

デメリットは、ノズルが詰まったり内張りの屋根に水が貯まると故障すること、地下水が豊富な地域しかできないこと、ハウスの湿度が高くなりやすいことです。


ハウスを加温する系5種類

当然ですが、重油や灯油などが燃料の加温機を使って、加温するのは有効です。

大型のビニールハウスでは、加温機を使いましょう。

今回は主にそれ以外の方法を考えました。

11. ジェットヒーター

(すみません、重油や灯油以外の方法を考えると言いながら、いきなり灯油が燃料です)

ジェットヒーターの燃料は灯油で、ハウス内の加温に使え、CO2の施用効果もあります。

一般的なハウス用加温機は、煙と一緒に二酸化炭素をハウス外に排出します。

しかし、ジェットヒーターは煙突がないので、二酸化炭素をハウス内に供給できます。

小さなハウスの場合は、加温機と二酸化炭素発生装置を1台ずつ買うより、1台で兼用ができるジェットヒーターがおすすめです。

デメリットは、大型ハウスでは熱量が足りず向かないこと、不完全燃焼が起きるとハウス内に一酸化炭素が充満して危険なことです。

12. モミガライトを燃焼

モミガライトとは、お米のもみ殻を圧縮して薪にしたものです。

簡単にいうと、薪ストーブのもみ殻版です。

水稲は日本中で生産されていて、もみ殻が大量に発生するので問題になっています。

そのもみ殻を燃料にして、ハウスの加温ができます。

この動画で紹介しているので、ぜひ見てください。

デメリットは、温度管理が難しいことや灰の処理が面倒なこと、ハウス内への熱の均一な供給が難しいことです。

13. 薪ストーブで暖房

昔から家の暖房に使われてきた薪ストーブです。

薪ストーブをビニールハウスの加温に使う事例が増えています。

薪を大量に安く入手できる場合はアリです。

デメリットは、温度の調整がしにくいこと、薪が大量に必要なことです。

14. 別の施設から出た温水を使う

温水をハウス内に引き入れて、トマトやパプリカなどの野菜の栽培に使う事例が増えています。

水源は源泉が熱い温泉、バイオマス発電所、下水処理場、ごみ処理施設、食品加工工場などからの排水です。

デメリットは、温水を引くパイプが必要なので農地の場所が限られること、大掛かりなプロジェクトで初期費用が大きいこと、個人農家ではマネがしにくいことです。

逆に、すでに上記のような施設を持っている企業は、施設園芸への参入が有利です。

15. 加温機の清掃やメンテナンスを行う

加温機の燃焼部に汚れがたまると、燃費が悪くなり、燃料の消費量が増えます。

加温機の清掃やメンテナンスを行いましょう。

ノズルの交換やディフューザーやストレーナー、缶体の清掃を行いましょう。

清掃方法はメーカーの指示書に従って行ってください。

デメリットは、作業が面倒なことです。

省エネな局所加温系4個

次は局所加温系です。

局所加温とは、ハウス全体ではなく、一部分だけを加温する方法です。

必要な熱エネルギーが小さく、省エネな加温方法です。

16. 培地加温で土を温める

高設ベンチの栽培槽に温湯管を通して、そこに20℃程度のお湯を流す方法です。

培地を温めることで、根の生育を促進します。

イチゴなどの養液栽培の固形培地耕で使われています。

秋や春は冷水を流すことで、培地の冷却にも使えます。

デメリットは、花や実の温度は制御できないこと、栽培槽に温湯管を設置するので培地の耕うんや入れ替えのときに邪魔なことです。

17. クラウン加温で成長点を温める

クラウン加温は培地加温と似ています。

チューブにお湯を通して、そのチューブをイチゴのクラウンに密着させる方法です。

イチゴはクラウンで温度を感知するので、クラウンの温度を制御することで、花芽分化や草勢が影響を受けます。

秋や春は冷水を流すことで、局所冷却にも使えます。

デメリットは、花や実の温度は制御できないこと、イチゴの芽数が増えたりクラウンが伸びるとチューブが離れてしまい効果が出ないことです。

この動画でクラウン加温を紹介しています。

18. 高設ベンチ下に透明ビニール

イチゴの高設ベンチの下に透明なビニールを設置して、ベンチの下の空間を小さな温室のような状態にして、培地を下の空間の熱で温める方法です。

デメリットは、ベンチの下が見えるので見栄えが良くないこと、曇りの日は効果がないことです。

5. 品種と栽培管理系5個

次は、品種や栽培管理です。

イチゴの品種や栽培管理によっても、燃料費の節約ができます。

19. 昼の最高室温を上げて日平均温度を維持する