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なぜ、農家が離農するのか?

あなたはこの質問に答えられますか?

答えられない人は、ぜひこの記事を最後までお読み下さい。

この記事では農業経営のリスクや厳しさを5つのポイントを中心に解説します。

離農者が増えている農業経営の現状

まずは農業経営の現状を紹介します。

農業経営の基本

農業経営は、土地を耕し、作物を育てることで収益を得る仕事です。

農業は他の産業に比べて多くのリスクと課題が存在します。

そのため、農家の数は減少し、平均年齢は69歳と高齢化して担い手不足に陥っています。

現代の農業の課題

現代の農業は、経済的、環境的、社会的な多くの課題に直面しています。

これらの課題が原因で、多くの農家が農業経営を続けることが困難になっています。

例えば、経費が増えていますが、売上を上げることができず、十分な利益を上げることが難しくなっています。

SDGsが叫ばれ環境配慮が必要になり、農家も農薬や肥料、化石燃料などの使用に制限が生じています。

また、産業が高度化するにつれ農家を志す人が減り、都市部では農家よりも住民の方が優先され、農業がやりにくくなっています。

農家の離農の現状

日本では、農家の数が年々減少しています。

10年でおよそ半分にまで急激に減少中です。

離農する農家が増える理由には、経済的な問題や労働環境の厳しさ、後継者不足などが挙げられます。

1. 経済的なリスク

農家が離農する理由は、経済的なリスクがあるからです。

収入の不安定さ

農家の売上は天候に左右されやすいため、収入が不安定です。

例えば、天候不良や病害虫の発生によって作物が収穫できなかった場合、大きな経済的打撃を受けます。

最近では、猛暑や線状降水帯、季節外れのヒョウ、大型台風など異常気象が増えています。

その影響で農作物の収量が減り、赤字になることがあります。

農産物価格の変動

市場の需給バランスによって農産物の価格は大きく変動します。

価格が低迷すると、農家の収益は大幅に減少し、経営が成り立たなくなることもあります。

最近は物価高でお菓子や食料品の値段が上がっています。

しかし、野菜の値段はここ10年でほとんど値上がりしていません。

キャベツなどが一時的に高値になることはありますが、すぐに元の値段に戻ります。

農業コストの増加

肥料や農薬、機械の導入、雇用人件費など、農業には多くのコストがかかります。

例えば、ウクライナ侵攻の影響で、重油や灯油代、鉄や肥料の値段は急上昇しました。

鉄の値段が上がったため、ビニールハウスなどの設備の値段も上がっています。

肥料の値段は1.5倍くらいまで値上がりしました。

最低賃金も上昇しており、人件費も増えています。

これらのコストが増加する一方で、収益が上がらない場合、経営は厳しくなります。

2. 労働環境の厳しさ

労働環境の厳しさも離農者が多い理由の一つです。

長時間労働と過重労働

農業は長時間労働が当たり前の世界です。

特に収穫期には、早朝から夜遅くまで働くことが求められ、過重労働が常態化しています。

個人農家は忙しい時期には、睡眠時間を削って農作業をしています。

季節労働の負担

農業は季節に応じた作業が多いため、季節ごとに労働量が変動します。

これにより、労働者は不規則な生活を強いられることが多いです。

農繁期は睡眠時間が3時間ほどしかないこともあります。

逆に、農閑期には暇で作業がなく、売上もないのも問題です。

高齢化で継続できない

農家の平均年齢は69歳です。

農家の人数は60〜80歳が多いです。

高齢者が多いので肉体的に衰え、農作業を継続できません。

3. 気候変動と自然災害

気候変動と自然災害が多いことも、離農者が多い原因になっています。

気候変動の影響

気候変動は農業に深刻な影響を与えます。

異常気象や気温の変動は、作物の生育に大きな影響を及ぼし、収穫量の減少や品質の低下を引き起こします。

例えば、地球温暖化で地球全体の気温が上昇しています。

日本でもほぼすべての都道府県で、気温が上昇しています。

特に北海道南部や東北、関東の上昇率が高いです。

自然災害のリスク

台風や洪水、干ばつなどの自然災害も農業にとって大きなリスクです。

これらの災害によって作物が被害を受けると、経済的損失が発生します。

特に最近では大型台風や線状降水帯が多く発生しています。

自然災害を完全に防ぐのは不可能

農家は自然災害の対策を講じていますが、全てのリスクを防ぐことは難しいです。

キャベツを露地栽培している場合、ヒョウが降ってしまったら、対策はできません。

急な寒波でサクランボの花が凍って痛むこともありますが、凍霜害を完璧に防ぐのは困難です。

特に、川の氾濫や地震などの大規模な災害に対しては、対策が限られているのが現状です。

4. 後継者不足と少子高齢化

後継者不足や少子高齢化により、離農が増えています。

若者の農業離れ

多くの若者は都市部での生活を希望し、田舎で農業に従事することを選びません。

これにより、農業を継承する若い世代が減少しています。

これを解決する一つの方法として、経済産業省による地域おこし協力隊という制度があります。

地域おこし協力隊は地方で働きたい若者を応援する仕組みです。

高齢化の進行

日本の農業従事者の平均年齢は69歳と高く、高齢化が進んでいます。

高齢の農業従事者が高齢で引退することで、農業を続けることが難しくなっています。

労働力という点では、ベトナム人などの技能実習生制度が活用されています。

ベトナム人などの外国人の若者が、労働力として日本の農業を支えています。

後継者不足の深刻さ

後継者がいないために離農する農家が増えています。

中には利益が出ている農園もあり、後継者を探す農園もあります。

農園を維持するために第三者に事業を継承する、「事業継承」という手段が取られています。

後継者不足は、日本の農業全体にとって深刻な問題です。

5. 社会的評価と政府のサポート不足

社会的評価と政府のサポート不足も離農者が増えている理由の一つです。

農業への社会的評価

農業は重要な産業であるにも関わらず、その社会的評価が低いことが課題です。

とある都道府県の県知事が農家をバカにした発言をして退職しましたが、そのような考えを持つ人もいます。

農家が尊重されないと、農業に従事する意欲が減少し、離農者が増えます。

政府のサポート不足

農業に対する政府のサポートが不足していると感じる農家も多いです。

「農業は補助金が多すぎる」ともいわれますが、海外では日本よりも補助金が多い国もあります。

現在は農業経営の継続が難しくなっているので、政府による支援は必要です。

特に、小規模農家に対する支援が十分でないことが指摘されています。

地域コミュニティの変化

農村地域の過疎化が進み、地域コミュニティの支えが減少しています。

昔は農家は若者がたくさんいて、支え合って農業をしていました。

しかし、今は高齢者の農家が少ない数しかおらず、農村の維持が困難になっています。

例えば、水田用の水路の維持、農道周辺の雑草の刈り取り、野生動物の駆除などが維持できなくなっています。

これにより、農業を続けるための支援が得られにくくなっています。

まとめ 離農する農家が多い理由

今回は離農する農家が多い理由を解説しました。

現在は農家の軒数が急激に減少しています。

このまま減少し続けると、日本の農業は崩壊します。

日本の農業の維持のために、政府や農業関係者が一致団結して取り組む必要があります。

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