レタスなどの葉物野菜の植物工場は儲かるの？仕組みや課題,収益性,成功事例

「レタスの植物工場はどんな仕組みなの？」と疑問に思っていませんか？

• レタスの植物工場はどんな仕組みでできているの？
• レタスの植物工場の課題は？
• レタスの植物工場の収益性は？
• レタスの植物工場の成功事例は？

このような疑問がある方は、ぜひ最後までお読みください。

レタス類の葉物野菜の植物工場は黒字化に成功した事例があり、収益化が可能なビジネスです。

大企業やスタートアップ企業、中小企業がレタスの植物工場を運営しています。

ただし、赤字で経営難に陥っている事業者や、倒産する事業者が多いことも事実です。

弊社は植物工場を研究し、植物工場ビジネスにコンサルティングを行ってきました。

その知見を活かして、レタスの植物工場について解説します。

レタスの植物工場とは

まずはレタスの植物工場の基本的な説明をします。

完全閉鎖型の植物工場とは

そもそも、植物工場とは、主に完全閉鎖型植物工場を指す言葉です。

完全閉鎖型植物工場とは、ビルや工場などの太陽光が入らない建物の中で、LEDなどの光源で野菜を育てる施設。

場合によっては、大型のビニールハウスのことを「太陽光利用型の植物工場」という場合もあります。

今回は、完全閉鎖型植物工場の話題に的を絞りましょう。

一般的なレタスは露地栽培

ちなみに一般的なレタスは、露地栽培で生産されています。

露地栽培とはビニールハウスを使わない屋外での栽培です。

ビニールハウスを使うハウス栽培もあります。

植物工場産のレタスもあり、スーパーに行けばいろんな栽培方法のレタスが買えます。

1. 露地栽培のレタス
2. ハウス栽培のレタス
3. 植物工場のレタス

レタスの植物工場はいろんな葉物野菜を生産する

今回は話をシンプルにするために、レタスの植物工場といっています。

しかし、実際にはレタス以外のいろんな葉物野菜を生産する植物工場が多いです。

理由は同じような栽培装置、育て方、環境制御で栽培できるからです。

• サニーレタス
• リーフレタス
• ロメインレタス
• サンチュ
• 水菜
• ほうれん草
• 小松菜

レタスの植物工場の仕組み

次にレタスの植物工場の仕組みを説明します。

レタスの植物工場の建物

レタスの植物工場の建物は、以下のようなものを使うことが多いです。

地目は農地ではなく、宅地や雑種地を使う場合が多いです。

• ビルの空き店舗
• 工場の全体やその一部
• 地下の部屋
• 高架下のスペース
• プレハブ小屋
• コンテナ
• 廃校の校舎
• 完全に光を遮ったビニールハウス
• 断熱素材のビニールハウス

レタスの植物工場の温度調整はエアコン

レタスの植物工場の室温の温度調整は、エアコンを用いて行います。

レタスの生育適温は、15〜25℃くらいなので、そのあたりの温度で栽培します。

LEDの光を照射する時間帯と照射しない時間帯で、温度差をつけることもあります。

エアコンのサイズは栽培室の大きさによって調整します。

レタスの植物工場の光源はLEDライト

レタスの植物工場の光源は、LEDライトを使います。

露地栽培やハウス栽培では太陽光を使います。

LEDライトの色は昔は青色と赤色の組み合わせが多かったですが、最近は白色や黄色が多いです。

LEDライトの性能が上がっているので、電気代の割に光が強くなっています。

レタスの植物工場のCO2調整は生ガス

レタスの植物工場では二酸化炭素が不足しやすいので、炭酸ガスを供給します。

炭酸ガスの供給方法は、灯油燃焼式やガス燃焼式などがありますが、植物工場では生ガスを使うことが多いです。

レタスの植物工場のチップバーン予防は風

レタスはチップバーンという生理障害が発生しやすいです。

それを防ぐために、風を苗に当てる必要があります。

そのために、パソコン用のファンなどの小型の扇風機を使用します。

レタスの植物工場の栽培棚は多段式（垂直栽培）

レタスの植物工場の栽培棚は、5〜10段くらいの多段式です。

縦方向に栽培棚が並ぶので、垂直栽培とも呼ばれます。

露地栽培やハウス栽培では地面の1面でしか栽培できないので、植物工場は面積あたりの生産効率が非常に良くなります。

レタスの植物工場の栽培方法は水耕栽培

レタスの植物工場では、栽培方法は水耕栽培です。

水耕栽培とは、土や培地を一切使わない栽培方法。

液体肥料を流して、そこにレタスが根を伸ばします。

レタスの植物工場の種まきから収穫までは一ヶ月ほど

レタスの植物工場の種まきから収穫までは一ヶ月ほどの期間です。

回転が早いので、狭い面積でも大量なレタスを収穫できます。

また、苗ではなく種から栽培できるので、病気や害虫が発生するリスクが小さいです。

レタスの植物工場の生産期間は一年中

レタスの植物工場はレタスを一年中、生産します。

露地栽培では、温暖な地域は秋から春、冷涼な地域は夏に生産されています。

産地間リレーと呼ばれる方法で、全国各地でレタスが栽培されています。

植物工場産レタスの販売先はスーパー

植物工場産レタスの販売先は、スーパーが多いです。

直接スーパーに卸す場合もありますし、商社や仲卸業者が間に入ることもあります。

スーパーは一年中、安定的に供給されるレタスを求めているからです。

レタスの植物工場のシステム

レタスの植物工場はいろんな業者が販売しています。

小規模であれば自作することも十分可能です。

1. 三協立山株式会社
2. 株式会社FARMS
3. 三菱ケミカルアクア・ソリューションズ株式会社
4. 三進金属工業株式会社

小規模なレタスの植物工場を自作する方法

小規模なレタスの植物工場を自作して実験をする方法を紹介します。

自宅の部屋の一部でもかんたんにできます。

こちらのYouTubeで弊社の代表宮崎が紹介しているので、ぜひご覧ください。

レタスの植物工場の栽培設備を作る方法

植物工場でレタスの栽培容器を作る方法

植物工場のレタスの苗を作る方法

植物工場のレタスを育てる方法

植物工場のレタスを収穫する方法

レタスの植物工場の課題,問題

次にレタスの植物工場の課題を紹介します。

初期投資が大きすぎる

レタスに限らず、植物工場は初期投資が大きすぎます。

小型の植物工場でも数千万円は必要です。

大規模な植物工場になると十数億円が必要です。

初期投資は露地栽培なら数百分の一まで小さくなります。

この初期投資の大きさが課題です。

電気代が高すぎる

レタスに限らず、植物工場は電気代が高すぎます。

エアコンやLEDが莫大な電気を消費します。

これは露地栽培ならゼロです。

このランニングコストの高さが課題です。

病気や害虫の予防が面倒すぎる

レタスの植物工場は病気や害虫の予防が面倒です。

植物工場では病気や害虫が発生しないと誤解されがちですが、実際には予防に力を入れないと発生します。

レタスは播種から収穫までが1か月しかないので、病気や害虫が発生しづらいです。

しかし、実際には同じ施設の中で種まきの時期を少しずつずらしながら栽培するので、レタスはずっと育て続けています。

そのため、病気や害虫が発生するリスクがあります。

レタスの植物工場の収益性

つぎにレタスの植物工場の収益性を紹介します。

レタスの販売で黒字化事例がある

レタスの販売ビジネスでの黒字化事例はあります。

そのため、日本だけではなく海外でもレタスなどの葉物野菜の植物工場はたくさんあります。

レタスの植物工場システムの販売は儲かる

レタスの植物工場のシステムを販売する事業者も儲かっています。

建物、栽培棚、養液システム、環境制御機器などを販売している事業者は黒字になっています。

赤字の事業者も多い

レタスの植物工場を行う事業者の中には、赤字の事業者も多くいます。

「レタスの植物工場事業者が倒産」というニュースも毎年のように耳にします。

最近でも葉物野菜を植物工場で生産していた株式会社スプレッドが民事再生手続きを始めました。

植物工場が儲かるかどうかについては、こちらの動画で解説しています。

レタスの植物工場の成功事例

レタスの植物工場の成功事例を紹介します。

電気代が安い原子力発電所の近くで植物工場

原子力発電所の近くは電気代が安くなります。

それを利用して原発の近くで植物工場をしている事業者がいます。

素晴らしい事業戦略ですね。

障害者雇用のレタスの植物工場

障害者雇用のレタスの植物工場も素晴らしいビジネスプランです。

レタスの販売で収益化を目指すのではなく、障害者雇用の受け入れスキームで利益を確保します。

まとめ：レタスの植物工場は成功事例があるビジネス

レタスの植物工場ビジネスは、すでに成功事例があるビジネスです。

しかし、失敗事例も多く、今でも倒産する事業者があります。

成功事例も失敗事例もあるという意味では、ごくごく普通のビジネスといえます。

あなたはレタスの植物工場で成功できますか？

成功できると考える、その根拠は何ですか？