いちごの先端が白色や緑色！先白果と先青果の原因と対策

いちごの先が白色や緑色で困っていませんか？

せっかく大粒のいちごができたと思ったら、先端が白色や緑色でがっかりしていませんか？

それはズバリ、先白果（さきじろか）や先青果（さきあおか）という症状です。

今回は先白果と先青果で悩んでいる人のために、その原因と対策をご紹介します。

いちごの先白果と先青果とは？

まずはいちごの先白果と先青果について説明します。

先白果（さきじろか）とは

先白果とは、いちごの先端が白色になる異常果です。

果実の先端以外が白色の場合は、先白果とは呼びません。

先青果（さきあおか）とは

先青果とは、いちごの先端が緑色で、青いままになる異常果です。

色は青色になる訳ではなく、緑色です。

イチゴの先白果と先青果ができる原因

次に、先白果と先青果ができる原因を説明します。

先白果と先青果の直接的な原因

先白果の直接的な原因は、イチゴの先端の雌しべが受精しないことです。

その理由は温度の異常やミツバチの受粉行動不足では、ありません。

イチゴの先端の雌しべが受精しない理由は、開花中に先端の雌しべが受精能力がないからです。

受精能力がないため受精できず、果肉が肥大せず、赤色に着色しません。

これが先白果と先青果の原因です。

雌しべの成熟の時間差

雌しべの根元と先端には、成熟度合いのズレがあります。

雌しべはピラミッドのような形をしていますが、ピラミッドの土台部分から徐々に成熟していきます。

成熟することで、雌しべとして受精能力を身に着けます。

最終的には雌しべの先端部分も受精能力を持ちますが、時間差があるため、先端が受精能力を持つのは最後です。

このときに花びらが残っていて開花中であれば、ミツバチが受粉しますが、花びらが落ちているとミツバチは受粉しません。

そのため、いちごの先端が先白果や先青果になります。

雌しべの先端に受精能力がない

また、最後まで雌しべの先端に受精能力がつかない場合もあります。

その場合は花びらが落ちた後に手作業で人工授粉したとしても、先白果や先青果になります。

花が大きすぎる

先白果と先青果の直接的な原因は、いちごの先端の雌しべの受精能力がないことや成熟が遅くなることです。

その原因は、いちごの花托（実になる部分）が大きすぎることにあります。

要するに、花が大きすぎると先白果や先青果が増えます。

先白果や先青果が発生した実は、大きな実が多いと思います。

先白果や先青果は大きな実ほど発生率が高くなります。

品種の差がある

先白果と先青果の発生率には、品種の差もあります。

先白果や先青果が発生しにくい品種や発生しやすい品種があります。

特に一番果が大きくなる大果系の品種は先白果や先青果が発生しやすいです。

例えば、アイベリー、とちおとめ、やよいひめ、紅ほっぺなどがあります。

いちごの先白果と先青果を減らす対策

次に先白果と先青果を減らす対策を説明します。

窒素の施肥量を減らす

花が大きな原因は、窒素が多いことです。

そのため、花芽分化後の花芽形成期間の窒素を減らすことで、花を小さくできます。

花が小さくなると、先白果や先青果は減ります。

花びらが落ちた後に人工授粉を行う

花びらが落ちた後に先端の受精能力がついた場合、ミツバチは受粉をしないので、不受精になります。

ブロワーや梵天などで人工授粉を行うことで、ミツバチの代わりに受粉できます。

先端の受粉ができれば、先白果や先青果は減らせます。

大きな花は摘花する

大きな花ほど先白果や先青果になりやすいです。

そのため、大きな花ができたらあらかじめ摘花をすれば、先白果や先青果は減らせます。

先白果と先青果は必ずしも悪いものではない

先白果と先青果は必ずしも悪いではありません。

先白果や先青果が出るということは、草勢が強く大きな花ができている証拠です。

先白果や先青果が出るくらい窒素が多い方が、果実が大きくなり、花房あたりの花数が増え、収穫量は大きくなります。

いちごの実の先端異常まとめ

今回はいちごの先白果と先青果の原因と対策をご紹介しました。

いちごの病気や害虫についても解説している記事があるので、ぜひ読んでみてください。