「儲かっていないイチゴ農園にはどんな特徴があるんだろう?」と気になりませんか?
- 儲かっていないイチゴ農園の原因は何か?
- どうしたら、儲からない農園を改善できるか?
- 儲からない経営を回避する方法は?
このような点が気になる方向けに、儲かっていないイチゴ農園の特徴を10個紹介します。
この記事を最後まで読んで頂くと、儲かっていないイチゴ農園の要因を網羅的に理解でき、儲からない経営に陥るリスクを回避できます。
1. 農園の立地条件が悪い
立地条件が悪いと、儲かりにくいです。
日本海側で冬の日照時間が短いと収量が少ない
日本海側は冬の日照時間が短いので、イチゴの光合成が少なくなります。
そのため、日照時間が短い地域では、イチゴの収量が少なくなります。
イチゴの収量が少ないと売上が小さくなり、利益も小さくなりやすいです。
北日本で冬の最低気温が低いと燃料費が多い
北日本は冬の最低気温が低いので、ハウス室温が低くなります。
そのままハウス室温を低くするとイチゴの生育が悪くなり、収量が減ります。
イチゴの生育を良くするためには、加温機を使う必要がり、燃料費が増えます。
燃料費が増えると経費が増えて、利益が減ります。
人口が少ないといちご狩りの需要が少ない
人口が少ない地域ではいちご狩りの需要が少なく、来客数が少なくなります。
来客数が少ないと売上が小さくなり、利益が小さくなります。
2. 初期投資額が大きすぎる
初期投資額が大きすぎると、儲かりにくいです。
オーバースペックな設備投資
オーバースペックな設備投資をすると、初期投資額が大きくなります。
初期投資額が大きくなると、減価償却費が増えて、利益が減ります。
また、初期投資の回収年数も長くなります。
補助金を使うから割安になると勘違いした
「補助金を使うから初期投資は抑えられる」と思っていませんか?
補助金を使うとその補助金の条件を守る必要があり、割高な設備を選ぶ必要があります。
結果的に、補助金を使った方が初期投資額が大きくなる場合もあります。
見積の精査をしなかった
設備業者から見積をもらい、そのまま発注していませんか?
見積を精査して、見積の中から本当に必要な設備を選ぶ必要があります。
初期投資の上限額を設定しなかった
初期投資の上限額を把握していますか?
イチゴ農園は開業する前に、いくらまで初期投資をしても良いか決まっています。
その投資上限額を超えてしまうと、儲かりにくくなります。
3. 経費の詳細を把握していない
経費の詳細を把握することが大切です。
お金の把握ができていない
イチゴ農園のお金のことが頭の中に入っていますか?
例えば、以下の金額は言えますか?
- 先月の人件費
- 先月の燃料費
- 先月の経費合計
- 先月の経費の前年比
- 先月の経費の設定した目標との比率
予実管理ができていない
農業経営に予実管理を取り入れていますか?
作付前に、必要な経費や上限額を設定していますか?
月別の経費の計画を作り、月次決算をしていますか?
4. 農園の人件費が大きい
人件費が大きいと赤字になりやすいです。
作業効率が悪い
作業効率が悪いと、労働時間が長くなります。
特に収穫やパック詰めなどの回数が多い作業の効率化を目指しましょう。
人がやめて入れ替わりが多い
労働者がやめて入れ替わりが多いと、技術習得に時間がかかり、労働時間が長くなります。
人が辞めにくい待遇や組織を目指しましょう。
5. ハウスの燃料費が大きい
冬に栽培するイチゴ農園は燃料費が大きくなります。
ハウスの断熱性が悪い
ハウスの断熱性が悪いと、燃料費が大きくなります。
ハウスの燃料費を節約する方法は、こちらをご覧ください。
【保存版】ビニールハウスの燃料費を節約する方法25選【イチゴの草勢は維持】
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燃料代が上がった
重油などの燃料代が上がっています。
そのため、今まで通りの燃料使用量ですと、燃料費が増えます。
6. イチゴの品種が良くない
イチゴは品種が300種類以上あり、品種の選択肢が豊富です。
品種は味や収穫量に強く影響する
品種は味や収穫量に強く影響します。
そのため、どの品種を選ぶかで、農業経営にも強く影響します。
品種数が多すぎてポテンシャルを発揮していない
品種数が多すぎると、それぞれの品種特性を理解できず、ポテンシャルを引き出せない可能性があります。
イチゴは品種ごとに特徴があり、それを理解して、それに合った栽培をする必要があるからです。
また、1個のハウスに複数の品種を植えていると、肥培管理や環境制御を品種ごとに最適化できません。
新しい品種を試していない
イチゴは毎年、新品種が登場します。
どんどん良い品種が出てくるので、新しい品種を取り入れる必要があります。
古い品種を育て続けていると、収量や花芽分化で不利になる可能性があります。
7. イチゴの育苗が良くない
イチゴは育苗がうまくいかないと、経営が成り立ちません。
イチゴは苗半作
イチゴは「苗半作」と言うほど、苗の出来が収量に影響を及ぼします。
そのため、育苗の成功が農業経営の成功のために必須です。
夏の猛暑に対応できていない
特にここ数年は気候変動で、夏の猛暑がひどい状況です。
最高気温が40℃を超えるようになりました。
イチゴの生育適温は20〜25℃程度なので、40℃にもなると生育が悪くなります。
種子繁殖型品種への切り替え
よつぼしやベリーポップなどの種子繁殖型品種に切り替えるのも一つの手です。
プラグ苗を購入することで、ランナー増殖をする必要がなくなります。
夜冷処理に挑戦する
苗の夜冷処理は当たり前にする産地もあれば、まったくしない産地もあります。
夜冷処理をしてこなかった産地でも、今後は挑戦する必要が出てくるでしょう。
イチゴの育苗の外注化
育苗を外注化し、外部の育苗業者に委託する方法もあります。
長野県などの夏季冷涼な気候の地域では、イチゴの育苗を請け負う業者があります。
8. イチゴの出荷量が少ない
イチゴの出荷量が少なければ、売上が小さくなります。
肥培管理が良くない
イチゴの肥料や水管理がうまくいかないと、収量が少なくなります。
収量が少ないと出荷量が少なくなり、売上が小さくなります。
環境制御が良くない
ハウスの温度や二酸化炭素、湿度などの環境制御が良くないと、収量が少なくなります。
イチゴの環境制御についてはこれらの記事をお読み下さい。
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病気や害虫の対策が良くない
イチゴは病気や害虫が多く発生します。
農薬などでその対策をする必要があり、それに失敗すると収量が少なくなります。
病気や害虫の予防については、こちらの記事をお読み下さい。
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9. 栽培暦で作業時期を決めている
栽培暦で作業時期を決めると、栽培がうまくいかなくなりました。
昔はカレンダー通りの栽培暦で問題なかった
昔はカレンダー通りの栽培暦で問題ありませんでした。
例えば、以下のような栽培暦があります。
- 9月15日にイチゴの苗を定植する
- 10月20日にビニールマルチを張る
- 11月1日にミツバチの巣箱を設置する
気候変動で対応できない
しかし、最近は気候変動が発生し、過去の栽培暦では対応ができなくなりました。
高温の夏の期間が昔は7月8月の2ヶ月間でしたが、最近では6月から9月までの4ヶ月間が高温です。
10. イチゴの販売単価が安い
イチゴの販売単価が安いと、売上が伸びません。
販売を第三者に任せている
JAや市場などに出荷している場合、販売を第三者に任せている状態です。
この状態ですと価格決定権がなく、販売単価が上がりにくいです。
しかしメリットとして、中間流通を間に挟むことで、栽培に集中できます。
販売単価を上げる努力をしていない
直販や契約出荷など直接取引をしている場合、価格交渉や営業は自分で行う必要があります。
その場合は、販売単価を上げる努力をしましょう。
新しい商品を提案したり、価格交渉を行いましょう。
イチゴの相場上昇に対応できていない
イチゴの市場卸売価格やスーパーの店頭価格は、毎年上昇しています。
最近は前年比15%程度の上昇が続いています。
あなたのイチゴ農園は、毎年15%ずつ価格が上昇していますか?
まとめ 儲からないイチゴ農園の特徴
今回は儲からないイチゴ農園の特徴を10個紹介しました。
当てはまっている点があれば改善してみてください。
こんなお悩みはありませんか?
イチゴビジネスに新規参入したいけど…
◆イチゴ農園を始めたいけど、どうすればいいかわからない…
◆イチゴ農園の事業戦略や事業計画づくりに不安がある…
◆イチゴ農園の設備投資の金額を低く抑えたい…
>>イチゴ農園の新規参入で失敗したくない方はこちらをご覧ください。
イチゴ農園の栽培や経営を改善したい
●イチゴが花を咲かせなくて、収量が下がった…
●イチゴの病気や害虫を抑えられなくて、収量が減った…
●農園の経営が苦しいけど、どうしたらいいかわからない…
>>経営中のイチゴ農園を立て直したい方はこちらをご覧ください。