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いちご農園を経営する皆さん、こんにちは。

あなたは、あなたのいちご農園の損益分岐点売上高を把握していますか?

あなたのいちご農園の損益分岐点売上高を答えてみてください。

もし、答えられないのであれば、ぜひこの記事を最後までお読みください。

いちご農園の経営において、損益分岐点売上高を計算し、把握することは非常に重要です。

さらに、実は農業ビジネスでは一般的な企業とは損益分岐点売上高の計算が少し違います。

この記事では、あなたのいちご農園の損益分岐点売上高を計算する方法とその重要性について詳しく解説します。

損益分岐点売上高とは?

まず、損益分岐点売上高とは何かを理解しましょう。

損益分岐点売上高とは、「いちご農園の収支がゼロとなる売上高のこと」です。

収支がゼロとは、黒字でもないし、赤字でもない状態。

つまり、この売上高を超えると利益が生まれ、それ以下だと損失が発生する状態を示します。

損益分岐点売上高は、一般的な企業では必ず計算して把握しています。

いちご農園においても、この概念を理解し、計算することで経営の方針や戦略を決定する際の参考になります。

損益分岐点売上高の重要性

損益分岐点売上高を計算し理解することで、以下のようなメリットがあります。

  • 経営戦略の策定
  • 収支管理の改善
  • 投資判断の支援

詳しく見ていきましょう。

経営戦略の策定

適切な売上目標を設定し、それを達成するための戦略を立てることができます。

損益分岐点売上高がわからないと、いくら売り上げたら黒字になるかがわかりません。

売上目標を設定する場合も、損益分岐点売上高を目安にすることで、黒字額の目安がわかります。

収支管理の改善

どの程度の売上が必要かを把握することで、無駄なコストを削減する方針を立てることができます。

損益分岐点売上高の把握のためには、経費も把握する必要があります。

そのため、コスト削減のためにも役立ちます。

経営の改善

将来の計画や投資において、収益性を見極めるための情報となります。

経営改善の手っ取り早い方法は、損益分岐点売上高を把握して、それよりも高い売上を作ること。

すごく乱暴な言い方をすると、経営改善は損益分岐点売上高を超えることだけに集中しても良いくらいです。

損益分岐点売上高の要素

損益分岐点売上高は具体的には、以下の要素が含まれます。

  1. 固定費
  2. 変動費

この二つの数値から損益分岐点売上高を算出します。

固定費

固定費は「販売量に関係なく必ず必要なコスト」と考えてください。

固定費には、以下のようなものが含まれます。

いちごの栽培に関係するコストは、すべて固定費に含まれます。

  • 農地の賃料
  • 水道光熱費、灯油などの燃料代
  • 経営管理費用(例:経営者の給与、事務員の給与など)
  • 減価償却費(例:設備や機械の減価償却費)
  • いちごの種苗代
  • 肥料代
  • 農薬代
  • ミツバチの費用
  • 栽培に関係する人件費
  • その他、栽培に関係するコスト

変動費

変動費は「販売量によって変動するコスト」と考えてください。

変動費には、以下のようなものが含まれます。

変動費は出荷やいちご狩りに関係するコストだけです。

  • 出荷に関係する資材代(パック類)
  • 出荷に関係する送料
  • 出荷に関係する人件費(収穫とパック詰め)
  • いちご狩りの広告宣伝費
  • いちご狩りの接客の人件費
  • いちご狩りの来場者関係の費用

いちご農園の経費はほとんどが固定費

ここで一般的な企業といちご農園に大きな違いがあるので、ご注意ください。

一般的な企業は変動費が大きい

企業の業種やビジネスモデルにもよりますが、一般的には変動費が大きい企業が多いです。

例えば、以下のような例があります。

  • 製造業の工場で、製造をストップすれば不要になる経費が多い(電気代、人件費、材料費など)ので変動費が大きい
  • 流通業の商社で、仕入れをストップすれば不要になる経費が多い(仕入れ代、物流費など)ので変動費が大きい

生き物を扱う農業は固定費が大きい

しかし、いちご農園のような農業は生き物を扱うので、栽培をストップすることができません。

そのため、ほとんどの経費が固定費に分類されます。

「なぜ、変動費ではダメなの?」と思うかもしれませんが、このような理由があります。

  • 栽培に関わる資材類(苗や施設、肥料など)は販売量にかかわらず必ず必要だから
  • 栽培を一旦ストップしてまた再開することができないから(枯れるから)

固定費が大きいので損益分岐点売上高が高く赤字になりやすい

いちご農園は固定費が大きいので、損益分岐点売上高が高くなります。

損益分岐点売上高が高いので、栽培や販売に失敗するとすぐに赤字になります。

経営がうまくいっていないいちご農園は、損益分岐点売上高が高い状態になっている場合が多いです。

いちご農園は栽培や販売に失敗するとすぐに赤字になり、黒字になかなかできないので、失敗しやすいです。

異業種からの企業の農業参入で失敗事例が多いのは、これが一つの原因です。

この点は農業ビジネスの欠点です。

変動費が小さいので損益分岐点売上高を超えるとすごく儲かる

逆に農業ビジネスには利点もあります。

いちご農園は変動費が小さいので損益分岐点売上高を超えると、すごく儲かります。

損益分岐点売上高を超えても経費が増えないからです。

そのため、いちご農園は損益分岐点売上高を超えると一気に利益が増えます。

いちご農園は栽培や販売に成功すれば、大きな利益が生めます。

いちご農園の損益分岐点売上高の計算方法

いちご農園の損益分岐点売上高を正確に計算するためには、以下の手順に沿って計算していきます。

  1. 固定費の特定
  2. 変動費の特定
  3. 売上高の把握
  4. 損益分岐点売上高の計算

固定費の特定

まずはいちご農園における固定費を特定します。

いちごの栽培に関係するコストを計算します。

変動費の特定

次に、いちごの生産に必要な変動費を特定します。

いちごの販売や出荷に関係するコストだけを計算します。

売上高の把握

売上高はいちご農園全体でもいいですし、生食用いちごだけなど商品ごとでも構いません。

商品ごとにする場合は、固定費や変動費についても商品ごとに計算してください。

損益分岐点売上高の計算

固定費と変動費を合計し、それを売上高から差し引いた額が損益分岐点となります。具体的な計算式は以下の通りです。

★損益分岐点売上高 = (固定費 + 変動費) / (1 - 変動費率)

変動費率は、変動費を売上高で割った割合です。

★変動費率=変動費÷売上高

この計算により、いちご農園がどの程度の売上を達成すれば利益を出せるのか、あるいは損失を避けることができるのかを把握することができます。

例えば、以下の事例を見てみてましょう。

項目数値
固定費500万円
変動費100万円
売上高900万円
変動費率100万円÷900万円=0.111
計算式(500万円+100万円)/(1 - 0.111)
損益分岐点売上高674万円

いちご農園の製造原価計算まとめ

いちご農園の製造原価を正確に把握することは、持続可能な経営を実現するために非常に重要です。

しかし、いちご農家の多くは損益分岐点売上高を把握していません。

どんぶり勘定のままでは経営改善はできません。

この記事で紹介した方法を参考にして、あなたのいちご農園の製造原価を計算し、より効率的な経営を目指してください。

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