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株式会社イチゴテックの宮崎です。

実は夏秋いちごは、国産のいちごだけではないんです。

  • そもそも、夏秋いちごって何?
  • 夏と秋にいちごと採れるの?
  • 輸入いちごはどの国から来るの?
  • 植物工場のいちごって何?
  • 夏秋いちごって儲かるの?

という疑問をお持ちではありませんか?

そこでこの記事ではそんな夏秋いちごのお悩みを、プロの観点から解決します。

具体的には、

  • 夏秋いちごとは
  • 国産夏秋いちごについて
  • 輸入いちごについて
  • 植物工場のいちごについて
  • 夏秋いちごビジネスは儲かるのか?

の順番にご紹介していきます。

3分くらいで読めますし、農業のことを知らない人でも理解できる内容なので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

近所のスーパーで夏なのにいちごが売っていた

7月2日に近所のスーパーマーケットで、いちごが売っていました。

夏にいちごがスーパーで売っているなんて、珍しいですよね。

私と同じように、夏にいちごを見つけて驚いた人もいるのではないでしょうか。

せっかくなので、さっそく買ってみました。

このいちごは長野県松本市産の「すずあかね」という品種でした。

このいちごを育てている農園は、私が大学生の頃に視察したことがある場所でした。

大規模に夏秋いちごを生産している農園です。

夏秋いちごに明確な定義はない

そもそも、夏秋いちごには明確な定義はありません。

けれども一般的には6月から11月上旬くらいに出回っているいちごを、夏秋いちごと呼びます。

その名の通り、夏から秋にかけて流通しているからです。

一般的には夏秋いちごは、スーパーマーケットで販売されません。

夏秋いちごの主な利用方法は、ケーキ屋さんや和菓子屋さんなどの加工業や飲食店です。

国産の夏秋いちご

夏秋いちごの中でも、一般的に使われているのは国産の夏秋いちごです。

一部、外国産の輸入いちごもあります。

しかし、実は10年ほど前までは、国産の夏秋いちごは非常に珍しい存在でした。

昔は国産いちごの代わりに、輸入いちごが一般だったんです。

最近では少しずつ国産の割合が増えてきています。

輸入いちごと植物工場のいちごもある

輸入いちごは主にアメリカから輸入されています。

それから日本の植物工場で育てられたいちごもあります。

植物工場とは太陽の光を使わずに育てる施設のことです。

エアコンで室温を一定にして、LEDでいちごを育てています。

植物工場で育てられているいちごは、一季成り性品種が多いです。

国産の夏秋いちごとは?

国産の夏秋いちごについて説明します。

夏秋いちごは基本的にはビニールハウスの中で育てられています。

夏秋いちごの産地

日本の夏秋いちごの主な産地は、北海道、東北地方、長野県です。

他にも、関東、関西、中国、四国、九州、沖縄など、ほとんどすべての地域で育てられています。

ですが、それらの地域は生産量が非常に少なく、数軒の農家だけが作っています。

そのため市場に出回っている量も少ないです。

市場に出回っている夏秋いちごは、主に北海道、東北地方、長野県産です。

四季成り性が多いが一季成り性もある

ビニールハウスで育てられている夏秋いちごは、ほとんどが四季成り性品種です。

そもそも、いちごには四季成り性と一季成り性の二種類があります。

冬から春に促成栽培で育てられているいちごは、ほとんどが一季成り性です。

ただし、一季成り性が絶対に夏秋期に育てられていない訳ではありません。

例えば、よつぼしという一季成り性品種は、長日で花芽分化しやすくなる変わった特徴があるので、夏秋いちごにも利用できます。

また、冷房設備を使って室温や株元の温度を下げれば、一季成り性品種でも夏秋いちごに使えます。

ただし、そのような設備にはコストがかかりますし、よつぼしも基本的には一季成り性品種なので夏から秋の収量は多くありません。

そのため、夏秋いちごはほとんどが四季成り性品種です。

四季成り性で人気の品種

四季成り性品種で人気の品種は、この辺りです。

  • 夏実
  • すずあかね
  • ペチカシリーズ(ペチカほのか)
  • 夏瑞(なつみずき)
  • サマープリンセス
  • サマーリリカル
  • 信大BS8-9
  • 新白鳥シリーズ
  • ほほえみ家族
  • 赤い妖精
  • 夏のしずく
  • よつぼし

ただし、これらの品種は商業的な農家向けに売られています。

ペチカや新白鳥などの一部の品種はホームセンターやネット通販でも買えますが、基本的には特別な契約が必要になります。

ホームセンターで売っている四季成り性品種

ホームセンターで売られている四季成り性品種は、ほとんどが品種登録の期限が切れた古い品種です。

その古い品種に各メーカーが新しい商品名を付けて、新しい品種っぽくして売っています。

古い品種は収量や果実の糖度が低いことが多いです。

なので、家庭菜園で四季成り性品種を育てることは意外と難しい面もあります。

海外から輸入している外国産のいちご

海外から輸入しているいちごはアメリカ産が多いです。

他にも少しだけオーストラリア産などもあるようです。

アメリカ産のいちごは、カリフォルニア州で栽培されています。

日本にカリフォルニア州産のいちごがたくさん入ってきている理由は、生産量が多くて値段が安いからです。

さらにカリフォルニア州産のいちごは果肉が硬いので、輸送に向いているという特徴もあります。

カリフォルニア州は地域によって気候が多少違いますが、全体的に日本の春のような気候が一年中続きます。

なので一季成り性いちごでも、一年中収穫ができます。

日本では一季成り性いちごは、基本的には冬と春しか収穫できません。

日本とカリフォルニア州の気候の違いが影響しているんですね。

栽培方法も違っていて、カリフォルニア州では一つの株を3年ほど栽培し続けます。

それに対して日本では一つの株を9ヶ月ほどしか栽培しません。

カリフォルニア州のいちごは、果肉が硬く真っ赤な色をしています。

カリフォルニア州のいちごの食感は、ゴリゴリしていてジューシーではありません。

国産夏秋いちごと輸入いちごの値段

アメリカ産のいちごが輸入されるのは、夏秋期にもいちごの需要があり、アメリカ産のいちごの値段が安いからです。

一昔前まで、国産の夏秋いちごの値段はキロ2,000円ほどですが、アメリカ産のいちごはキロ1,000円ほどでした。

最近は、国産夏秋イチゴはキロ2,500円、アメリカ産のイチゴはキロ2,000円ほどになっています。

なので価格が安いケーキにはアメリカ産が使われていることが多く、高いケーキには国産が使われています。

植物工場のいちご

植物工場のいちごも一年中、流通しています。

いちごの有名な植物工場は、日清紡ホールディングスさんやいちごカンパニーさんがあります。

アポロベリーやとろける香りいちごという名前で販売されています。

これらの植物工場産のいちごは一年中採れるので、一年中流通しています。

しかし、まだ流通量が少ないので食べたことがない人が多いでしょう。

といってもケーキ屋さんで加工されればいちごの名前は使われないので、知らず識らずのうちに植物工場産のいちごを食べている可能性もあります。

夏秋いちごは儲かる作物なのか?

私が学生の頃(2007〜2013年)は、「夏秋いちごは儲かる作物だ」と言われていました。

夏秋いちごの単価が高く、需要に対して供給量が追いついていなかったからです。

しかし、夏秋いちご農家の人の中には「夏秋いちごは儲かるといわれているから始める人が増えて、儲からなくなるのでは!?」と心配していた人もいました。

それからおよそ10年が経ち、再びその夏秋いちご農家の人と話をしてみると意外な答えが返ってきました。

「夏秋いちごが儲からなくなると思っていたけど、儲かり続けているよ」

おそらく、夏秋いちごを始める人が増えましたが、それ以上に高齢化で農家の軒数が減ったからでしょう。

また、同じタイミングで儲かるといわれていた施設トマトはなかなか儲からなくなりました。

なぜかというと、施設トマトはマーケットサイズが大きので大企業が参入して生産量が一気に増えたからだと思います。

それに対して夏秋いちごはマーケットサイズが小さいニッチなビジネスなので、大企業が参入しておらず生産量と需要量のバランスが保たれています。

イチゴの周年生産も増えている

この10年で変わったことといえば、周年生産が増えたことです。

20年前はいちごは促成栽培しかありませんでした。

10年前頃から、夏秋いちごが増えました。

そして、最近では一年中いちごを生産する周年生産が始まっています。

植物工場を使ったり、大型ハウスで室温をコントロールしたり、株元の温度だけコントロールしたり、いろんな方法で一年中いちごを収穫する技術が生まれました。

夏秋いちごの新しい需要

夏秋いちごの需要にも変化が生まれました。

以前は夏秋いちごの需要は、ほぼ100%が業務用の加工品用でした。

しかし、最近ではスーパーマーケットや道の駅、直売所などでも夏秋いちごが販売されるようになりました。

BtoBビジネスから、BtoCビジネスに広がっているんです。

今回は私も東京のスーパーマーケットで、夏秋いちごを見つけて驚きました。

このように夏秋いちごの需要が加工用だけでなく、生食用としても生まれています。

そう考えると、夏秋いちごのマーケットサイズは広がっています。

促成栽培農家と夏秋栽培農家

日本のいちごの98%くらいは、促成栽培農家が生産しています。

促成栽培農家にとっては、夏秋いちご農家は謎な存在でしょう。

促成栽培をしている人にとっても、夏秋いちごについて知ってもらえたらうれしいです。

動画で夏秋いちごについて解説

YouTubeの動画でも夏秋いちごについて解説しています。

ぜひこちらの動画をご覧ください。

夏秋いちごビジネスの説明まとめ

今回は夏秋いちごビジネスについて解説しました。

国産のいちごもあるし、海外産の輸入いちごもあるし、植物工場のいちごもあります。

夏秋いちごは、現在でも儲かる作物として人気です。

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