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イチゴ農園への新規参入や経営改善を考えたとき、コンサルティング会社へ相談する方法があります。

しかし、農業コンサル会社、イチゴ専門コンサル、設備会社、生産法人、個人コンサルタントなど、支援する会社によって得意分野は大きく違います。

・有名な会社だから安心

・料金が安いから

・知り合いに紹介されたから

という理由だけで決めると、皆さんが必要としている支援と合わない可能性があります。

特にイチゴ農園の新規参入では、ハウスや高設栽培設備などに大きな初期投資が必要です。

コンサル会社の選択が、設備費、収量、販売方法、人件費、事業の収益性に影響します。

この記事では、イチゴ農園のコンサル会社を選ぶときに確認したい7つのポイントを紹介します。

イチゴ農園のコンサル会社にはいくつかの種類がある

まず知っておきたいのは、「農業コンサル」と呼ばれる会社がすべて同じサービスを提供しているわけではないことです。

例えば、次のようなタイプがあります。

・農業全般を扱う総合コンサル会社
・イチゴなど特定作物に専門特化したコンサル会社
・ハウスや高設栽培設備を販売する設備会社のコンサルサービス
・農協に出荷する部会員向けの営農指導
・自社でイチゴを生産しながらコンサルも行う農園
・有機栽培など特殊な栽培指導を中心に行う個人コンサルタント
・会計や確定申告などをサポートする税理士事務所
・補助金の申請代行をする行政書士事務所
・販売やマーケティング、ブランディングを支援する会社

どのタイプが優れているということではありません。

重要なのは、皆さんが必要としている支援内容に合っているかです。

例えば、補助金の申請代行をしたければ行政書士事務所が良いですし、確定申告をサポートしてもらいたければ税理士事務所が良いです。

農協にイチゴを出荷する場合は、農協の営農指導が良いでしょう。

一方で、イチゴを自社で販売することを規模し、すでに税理士事務所と契約している場合は、イチゴ専門の方が適していることがあります。

1.イチゴ栽培を専門的に理解しているか

最初に確認したいのは、イチゴそのものに対する専門性です。

農業と一言でいっても、米、野菜、果樹、畜産、施設園芸では必要な知識が大きく違います。

さらに施設園芸の中でも、トマトとイチゴでは栽培方法や設備の考え方が異なります。

イチゴ農園について相談する場合は、少なくとも次のような内容を科学的に理解しているか確認するとよいでしょう。

・育苗
・花芽分化
・品種特性
・定植時期
・高設栽培
・養液管理
・温度管理
・CO2施用
・病害虫対策
・収量構成
・作業管理

新規参入では、事業計画だけ作れても、実際にイチゴが取れなければ事業は成立しません。

特に農業未経験の企業が参入する場合は、「経営の専門家」と「栽培の専門家」が別々になっていないかも確認してください。

支援体制が分かれていても問題ありませんが、両者がきちんと連携していることが重要です。

2.新規参入の支援実績があるか

イチゴを栽培できることと、新しい農園を立ち上げられることは別の能力です。

新規参入では、栽培技術だけでなく、農地、設備、資金、雇用、販売、スケジュールなどを同時に考える必要があります。

そのため、コンサル会社を選ぶときは「イチゴを何年栽培しているか」だけではなく、「新規農園の立ち上げを何件支援したことがあるか」を確認してください。

多くの農家は農園の立ち上げは一回しか経験しておらず、他の地域の知見がありません。

できれば、次のような実績を見ると参考になります。

・個人の新規就農
・企業の農業参入
・10a程度の小規模農園
・50a以上の大規模農園
・複数の品種の栽培
・市場出荷
・直売
・いちご狩り
・高設栽培
・新築ハウス
・中古施設の活用

自分が計画している農園に近い実績があるほど、相談しやすくなります。

3.栽培だけでなく事業全体を見られるか

イチゴ農園は、良いイチゴを作るだけでは成功しません。

例えば、10aあたり6,000kg収穫できても、販売単価が低ければ利益は残りません。

逆に高単価で販売できても、人件費や設備費が高すぎれば経営は苦しくなります。

そのため、コンサル会社が次のような内容まで見られるか確認してください。

・初期投資
・売上計画
・収量目標
・販売単価
・販売方法
・人件費
・年間経費
・借入返済
・資金繰り
・設備更新

「栽培コンサル」なのか「経営コンサル」なのかによって、支援範囲は変わります。

新規参入の場合は、栽培と経営を別々に考えるのではなく、両方をつなげて考えられるコンサル会社の方が使いやすいことがあります。

4.設備会社との利害関係を確認する

イチゴ農園では、ビニールハウス、高設栽培設備、養液システム、暖房機、環境制御装置など、多くの設備を購入します。

コンサル会社の中には、設備会社自身が設備販売の販売促進のためにコンサルを行っている場合や、特定の設備メーカーの販売代理店をしている場合もあります。

これは悪いことではありません。設備について詳しい、施工後の対応が早いなど、大きなメリットがあります。

一方で、コンサル会社を選ぶ側は、「どこから収益を得ているのか」を知っておくことが重要です。

確認したいのは、例えば次のような点です。

・特定メーカーの商品を販売しているか
・設備販売の紹介料を受け取っているか
・特定の施工会社だけを紹介する仕組みなのか
・複数メーカーを比較できるのか

設備を販売しない第三者型のコンサルであれば、「そもそもこの設備は必要なのか」という視点で判断しやすいというメリットがあります。

逆に、設備会社系のコンサルには、施工や機械に詳しいという強みがあります。

どちらが良いかではなく、立場を理解した上で利用することが重要です。

5.支援範囲を契約前に確認する

「新規参入支援」「栽培コンサル」と書かれていても、実際の支援内容は会社によって大きく違います。

例えば、事業計画書を作ったところで支援が終わる会社もあれば、農園完成後の栽培まで継続して支援する会社もあります。

契約前に、どこからどこまで対応してもらえるのか確認しましょう。

例えば新規参入であれば、次のような項目があります。

・事業構想
・農地選定
・事業計画
・資金計画
・設備選定
・見積書の確認
・品種選定
・育苗
・定植
・栽培指導
・病害虫対策
・採用
・作業マニュアル
・販売
・開園後の改善

契約外だと後から分かると、別の専門家を探す必要が出てくることがあります。

特に、設備完成後も栽培支援が必要な場合は、どの期間まで伴走してもらえるのか確認してください。

6.実績は件数だけでなく中身を見る

「支援実績1,000件」「農業歴30年」といった数字は参考になりますが、それだけで判断するのはおすすめしません。

重要なのは、何を支援して、どのような結果になったかです。

例えば、次のような具体的な内容を確認してください。

・設備費をいくら削減できたか
・目標収量を達成できたか
・初年度の収量はどうだったか
・売上がどれくらい増えたか
・人件費がどれくらい下がったか
・販売単価がどれくらい上がったか
・開業まで予定通り進んだか

可能であれば、事例記事や顧客の声も確認します。

ただし、農業は天候、地域、品種、経営者の能力などにも左右されるため、過去の成果がそのまま再現されるとは限りません。

それでも、具体的な数字や課題解決の内容が公開されている会社の方が、支援内容を判断しやすくなります。

7.担当者本人との相性と対応力を確認する

最後は意外と重要です。

会社の知名度や実績が高くても、実際に担当する人が自分に合うとは限りません。

コンサル契約では、数か月から数年間にわたってやり取りすることもあります。

コンサルタントによるパワハラで担当者がうつ病を発症してしまったり、転職してしまった事例もあります。

契約前の面談では、次の点を確認するとよいでしょう。

・質問に具体的に答えてくれるか
・分からないことを分からないと言えるか
・メリットだけでなくリスクも説明するか
・自分の事業計画に反対意見も言ってくれるか
・設備会社やメーカーの説明をそのまま信じず検討してくれるか
・返信や対応のスピードは適切か
・専門用語を分かりやすく説明してくれるか

コンサルタントは、経営者の希望をすべて肯定する人ではありません。

「その設備は必要ありません」「その規模では採算が合わない可能性があります」「この土地はおすすめしません」といった、耳の痛い意見も伝えてくれる人の方が役立つ場合があります。

料金だけでコンサル会社を選ばない

コンサル料金は当然重要ですが、最安値だけで選ぶのはおすすめしません。

例えば、コンサル費用を100万円節約できても、その結果、不要な設備を1,000万円購入してしまえば意味がありません。

逆に、コンサルに100万円かかっても、設備費を1,000万円削減できたり、年間売上が数百万円改善したりすれば、費用対効果は高くなります。

見るべきなのは「コンサル料金」だけではなく、「その支援によってどの程度の損失を防げるか、利益を増やせるか」です。

ただし、高額なコンサルほど良いという意味でもありません。

中には年間1億円のコンサル料の農業コンサルもありますが、その費用以上の効果を得るのは困難です。

支援内容と料金が見合っているかを比較してください。

大手コンサルとイチゴ専門コンサルはどちらが良い?

大手の総合コンサル会社には、会社としての信用力、経営ノウハウ、組織力などの強みがあります。

特に、農業以外も含めた新規事業戦略、会社全体の経営、資金調達、人事などまで相談したい場合には向いています。

一方、イチゴ専門コンサルには、イチゴ特有の栽培、設備、品種、作型、収量、病害虫などについて深く相談しやすいという強みがあります。

そのため、どちらが優れているかではなく、自分が何を求めているかで選びます。

企業全体の新規事業戦略を相談したいのであれば総合型、すでにイチゴへの参入を決めており、具体的な農園づくりを相談したいのであればイチゴ専門型、という考え方もできます。

コンサル会社を比較するときのチェックリスト

最後に、契約前に確認したいポイントをまとめます。

1.イチゴについて科学的かつ専門的な知識があるか
2.他社の新規参入支援や経営改善の実績があるか
3.栽培だけでなく経営まで見られるか
4.設備会社やメーカーとの利害関係はどうなっているか
5.どこからどこまで支援してくれるか
6.具体的な支援事例や成果があるか
7.担当者本人と長期間仕事ができそうか

このポイントをチェックしましょう。

まとめ

イチゴ農園のコンサル会社を選ぶときは、知名度や料金だけで判断しないことが重要です。

イチゴに関する専門性、新規参入実績、経営まで見られるか、設備会社との関係、支援範囲、実績の中身、担当者との相性を確認してください。

また、すべての人にコンサルが必要なわけではありません。

JAや地域の指導機関から十分な支援を受けられる場合や、すでに十分な栽培・経営経験がある場合には、外部コンサルを利用しない選択肢もあります。

一方で、初めてイチゴ農園を立ち上げる場合や、数千万円以上の設備投資を予定している場合には、投資を実行する前に第三者の意見を聞く価値があります。

重要なのは、「どの会社が一番有名か」ではなく、「自分たちの農園に必要な支援をしてくれる会社か」で選ぶことです。

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