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イチゴ農園へ新規参入するとき、大きな問題になるのがハウスや高設栽培設備などの初期投資です。

農業未経験で新規参入する場合、設備会社から見積もりを受け取っても、「この設備は本当に必要なのか」「この仕様は適正なのか」「価格は妥当なのか」を判断することは簡単ではありません。

今回紹介するお客様も、イチゴ農園への新規参入を計画し、設備会社から見積もりを取得していました。

しかし、設備費が大きく、このまま投資を進めてよいのか判断できないことに悩んでいました。

株式会社イチゴテックでは、設備の価格だけを見るのではなく、事業計画、販売方法、目標収量、栽培方法から必要な設備を見直しました。

その結果、農園として必要な機能を維持しながら、当初の設備費を約30%削減することができました。

この記事では、契約前にどのような課題があり、イチゴテックがどのような支援を行い、結果として何が変わったのかを紹介します。

お客様の属性

今回のお客様は、異業種からイチゴ農園への新規参入を計画していた法人です。

農業経験はまったくありませんでした。

イチゴ栽培について十分な知識や経験がない状態から、新しく農園を立ち上げる計画を進めていました。

すでに設備会社への相談を始めており、ビニールハウス、高設栽培設備、養液システム、環境制御設備などを含む見積もりも取得していました。

しかし、初めてイチゴ農園を作るため、設備会社から提案された内容が本当に適切なのかを判断することが難しい状態でした。

イチゴテックと契約前に抱えていた悩み

最も大きな悩みは、初期投資額でした。

設備会社から提出された見積もりを見ると、多くの設備が含まれていました。

しかし、お客様自身では、それぞれの設備について「絶対に必要なもの」「あった方がよいもの」「この農園には必要性が低いもの」を区別できませんでした。

また、3社から相見積りを取得しましたが、設備会社によって提案内容や仕様が異なるため、単純に見積金額だけを比較することもできません。

安い会社を選んだ結果、必要な設備が不足してしまう可能性も考え、不安に感じていたそうです。

反対に、高額な設備をすべて導入すれば初期投資が大きくなり、投資回収に時間がかかったり、赤字になり投資回収できなくなる可能性があります。

つまり、お客様が抱えていた問題は「もっと安い設備会社を探したい」ということではありませんでした。

どこまで設備に投資すれば、イチゴ農園として効率的な栽培ができ、事業として利益を残せるのか分からないことが本当の課題でした。

初期投資額を小さく抑えつつ、生産性が高い農園を作り、投資回収を短くすることを目指していました。

この会社は既存事業でも建物や機械などの設備投資をした経験があり、業者からの提案をそのまま受け入れたことで失敗した経験がありました。

そこで、イチゴビジネスの知見が豊富な弊社イチゴテックへ依頼をすることにしたそうです。

イチゴテックが最初に確認したこと

弊社イチゴテックでは、最初から設備の見積書を確認したわけではありません。

まず確認したのは、どのようなイチゴ農園を経営する予定なのかという事業計画の把握です。

例えば、栽培面積、販売方法、目標販売単価、目標収量、必要な売上、雇用人数、事業資金などを確認しました。

設備が本当に必要かどうかは、その設備の見積書だけを見ても判断できません。

例えば、高額な自動化設備であっても、大規模農園で年間の人件費を大幅に削減できるのであれば、導入した方が利益が増える可能性があります。

一方、小規模な農園では、同じ設備を導入しても投資を回収できないことが多いです。

そのため、まず事業として何を目指すのかを整理し、その後に必要な設備を判断しました。

支援内容1.設備見積もりを一項目ずつ確認

次に、設備会社から提出されていた見積書を確認しました。

ハウス、高設ベンチ、養液設備、環境制御設備、自動換気、水平カーテン、加温器、二酸化炭素発生装置、UV-Bライト、細霧冷房、電照などについて、一つずつ「なぜこの設備が必要なのか」を確認していきました。

その中には、農園の事業計画に対して仕様が高すぎる設備や、別の方法でも対応できる設備が含まれていました。

反対に、単純に価格を下げるために削ってはいけない設備については残しました。

また、不足している設備については追加したり、設備の変更(別の機器や資材への交換)も行いました。

設備費削減の目的は、安い農園を作ることではありません。

利益を生まない設備投資を減らし、必要な設備にはきちんと投資することです。

支援内容2.オーバースペックを見直し

農業設備では、高性能な設備ほど選択肢が増えます。

しかし、高性能であることと、その農園に必要であることは別です。

例えば、遮光カーテン、環境モニタリング装置、統合環境制御システム、自動換気、降雨センサー、二重カーテン、二酸化炭素発生装置、UV-Bライト、細霧冷房、パッド&ファン、補光ライトなどはあった方が良いものですが、絶対にないとイチゴが育たないものではありません。

「将来使うかもしれない」「最新設備だから導入したい」という理由だけではなく、実際に売上増加、人件費削減、栽培安定などの効果が期待できるかを基準に判断しました。

投資効果が低い設備については、削ったり、事業が軌道に乗ってから導入することにして、初期投資を抑えました。

支援内容3.必要な設備まで削らない

設備費を30%削減したと聞くと、「とにかく設備を削った」と思われるかもしれません。

しかし、それでは農園完成後に問題が発生する可能性があります。

例えば、ハウスの強度(耐雪性、耐風性)、問題を起こさない高設ベンチ、良質な培地、栽培に必要な上質の水、電気、加温器、換気装置、病気対策、害虫対策、排水設備、自動潅水などは、安易に削るべきではありません。

設備投資を削減するときには、「削れるもの」と「削ってはいけないもの」を分ける必要があります。

弊社イチゴテックでは、設備費の総額を下げることではなく、農園を長期間運営したときに利益が残る設備構成を目指しました。

そのため、必要不可欠な設備や投資対効果が高い設備は削りませんでした。

支援内容4.事業計画と設備計画を一致させた

設備を見直すと同時に、事業計画との整合性も確認しました。

例えば、目標収量を実現するために必要な栽培面積が確保されているか、予定している販売方法で十分な売上が得られるか、経費が上振れしても利益が出るか、設備投資後の返済を含めても資金が残るかを確認しました。

設備会社の見積もりを単独で考えるのではなく、

事業計画
→販売計画
→目標収量
→栽培計画
→必要設備

という順番で整理しました。

これによって、「設備は立派だが経営として成立しない農園」になることを防ぎました。

一般企業が農業参入すると、ハイスペックな設備だが利益が出ない農園になる失敗事例が多いためです。

支援の結果|設備費を約30%削減

設備内容を見直した結果、当初計画していた設備費(初期投資額)から約30%を削減することができました。

重要なのは、単純に設備を減らして30%安くしたわけではないことです。

必要な栽培機能を確保しながら、事業計画に対して必要性が低い設備や過剰な仕様を見直した結果です。

逆に、見積書になかったので、後から追加した設備もあります。

イチゴ農園では、直接的に収穫量や品質に関係する設備と、間接的に影響する設備があります。

特に影響力が大きい設備には、積極的に投資を行い、生産性を高めました。

その結果、初期投資額を抑えながら、生産性が高い設備が完成しました。

その後の支援

設備投資の見直し後も弊社が栽培について支援をしています。

弊社が導入を支援した設備なので、その設備の有効活用方法やコツも把握しており、お客様にお伝えしています。

そのおかげで、設備の機能や効果を最大限発揮できており、使いこなせないオーバースペックな設備ではありません。

新規参入初年度からイチゴ栽培や育苗もうまくいき、大きな問題も発生せずに生産ができています。

設備投資費を削減できたので投資回収年数も短くなり、投資回収の見込みがついたので、さっそく規模拡大の相談を受けています。

今後は規模拡大や多角化(他の作型やいちご狩りなど)の支援をする予定です。

この事例から分かること

今回の事例で重要なのは、「設備会社の見積もりは高いから信用してはいけない」ということではありません。

設備会社は、ハウスや農業設備について非常に重要な専門家です。

一方で、設備会社と農園経営者では役割が違います。

設備会社は設備を設計・施工しますが、最終的にその投資で利益を出さなければならないのは農園経営者です。

そして、設備業者は設備の販売で利益を出さないといけないので、どうしても農園経営者とは利益が相反します。

そのため、設備を選ぶときには弊社のような第三者の専門家の支援が重要になります。

同じ30%削減がすべての農園でできるわけではない

今回の事例では約30%の設備費削減につながりましたが、すべての農園で同じ割合を削減できるわけではありません。

最初から適正な設備計画になっていれば、ほとんど削減できないこともあります。

30%以上の削減ができる場合もあります。

逆に、必要な設備が不足している場合には、設備費を増やすことを提案する場合もあります。

繰り返しになりますが、重要なのは「必ず設備費を下げること」ではなく、「適正な設備投資にすること」です。

わざわざ高いお金を払って施設園芸をするのに、生産性が低い設備を作ったら本末転倒です。

設備計画を見直す価値が高い条件

設備計画を見直す価値が高いのは、以下のような条件です。

・初めてイチゴ農園を作る場合

・農業経験が少ない場合

・複数の設備会社から違う提案を受けている場合

・見積金額が当初予算を超えている場合

・設備ごとの必要性・重要性・影響度を自分で説明できない場合

特に数千万円規模の設備投資では、数%の違いでも大きな金額になります。

生産規模が大きければ、収穫量が5%下がる、人件費が5%増える、燃料費が5%増えるだけでも経営に影響が出ます。

設備を発注してから変更するのではなく、発注前に事業計画と設備内容を確認することが重要です。

まとめ

今回のお客様は、イチゴ農園への新規参入を計画し、設備会社から見積もりを取得していましたが、設備の必要性や投資額が適切なのか判断できないことに悩んでいました。

弊社イチゴテックでは、設備見積書だけを見るのではなく、販売方法、目標収量、栽培面積、事業計画まで確認した上で、設備内容を一項目ずつ見直しました。

その結果、必要な栽培機能を維持しながら、設備費を約30%削減することができました。

この事例で重要なのは、「安い設備を選んだこと」ではありません。

皆さんの農園で利益を生むために必要な設備と、必要性が低い設備を分けたことです。

イチゴ農園への新規参入では、設備の発注前に「この設備が本当に事業計画に必要なのか」を確認することが、初期投資を適正化する上で重要です。

皆さんは、投資すべき設備と、投資する必要がない設備を理解していますか?

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