今回は農業DXいちごセミナーの環境制御のケーススタディ【ハウスの室温が高くなった理由を分析】を解説します。
農業DX、スマート農業、イチゴ栽培、環境モニタリング、環境制御に興味がある人は、ぜひ最後までお読みください。
今回はイチゴ栽培で次作に同じ失敗を繰り返さないためには、何をすべきかという話です。
次作に同じ失敗を繰り返さない
今回お伝えしたい内容は、同じ失敗を繰り返さないようにしましょうという話です。
今回イチゴ栽培で「9月下旬に花芽分化できなかった」という問題が発生しました。
これは悠々ファームさんだけではなく、全国的に同じような問題が起きてしまったというイチゴ農園は結構たくさんあると思います。
何が言いたいのかと言いますと、まずは9月下旬に花芽分化をさせたいよねという風に皆さん考えると思います。
ただ、ここでストップするのはやめましょうという話です。
具体的なアクションプランを作ろう
じゃあ何が重要なのかと言うと、具体的なアクションプランを作ることです。
「今回こういう失敗しちゃったね、じゃあ来年はこういうことしようね」で終わってしまうと、おそらく来年やらないんですよ。
人間ってやっぱり面倒くさいことをやりたがらない生き物ですし、同じことを繰り返す方が楽ですよね。
「新しいことをやる」のはすごく嫌がる生き物だと思います。
そのため、何も考えずにただ来年は同じ失敗を繰り返さないようにしようと思っただけだと、実現できません。
同じ失敗を繰り返してしまうということにつながります。
具体的に何をどうするのかというアクションプランまでしっかり作ることが大事です。
問題の要因を分解
まず、今回起こった問題の要因を分解して考えてみます。
問題というのは、いろんな要因が関係してきます。
例えば、品種であったり、苗の葉齢であったり、日長時間、体内の窒素含有量についても影響してきます。
ただ、複数の要因の説明をしてしまうと話が複雑で長くなってしまいますので、今回はハウスの質問に的を絞って説明をさせていただきます。
では、問題の要因を分解して考えてみましょう。
ハウスの室温が高くなってしまったということなんですが、ハウスの室温は一体何で決まるのかと考えてみましょう。
「外気温」と「室温管理」、この2つの要因に分解ができます。
外気温の予測の方法
こちら外気温については人間には制御はできないんですけれども、予測することはできます。
この外気温の予測の方法については、YouTubeチャンネル「Daisuke Miyazaki」で夏秋イチゴのシリーズの動画として2023年8月に動画を公開しました。
「夏の気温の過去のデータから将来の予測をする」という動画です。
外気温の予測の方法ですとか、夏の猛暑が今後どうなりそうなのか、この辺りが気になる方はこちらの動画をご覧ください。
ハウスの室温管理の方法
では次にハウスの室温を管理を分解した時、どういった方法があるのかを考えてみましょう。
まず大前提としまして、前回の動画でもご説明した通り、今年のハウス室温が高くなったのはイチゴのハウスの隣にアクアポニックスのハウスを建ててしまったことと、循環扇を交換したという点があります。
そのため、このハウスを建てる前の話としては、イチゴのハウスの隣にアクアポニックスのハウスを建てるのであれば、ハウスとハウスの間の通路の幅を広く取ることで換気の機能を失わないようにするという方法もあります。
ただ、もうハウスを建ててしまったのでどうしようもないです。
それから農地も関わってきます。
農地の形であったりとか、農地の広さ、それからハウスの間口等の関係でどうしても通路の幅を広く取れないみたいな場合もあります。
その場合には取れる範囲で広く取るなどができるといいと思います。
実際に取り組める内容
この赤文字で書いてある方が現実的と言いますか、今後実際に取り組める内容かなと思います。
ハウスの管理について、天井、側窓、その他で分類して考えてみます。
天井については天井のビニールを剥がしてしまうという方法があります。
また、天井に遮光のシートをかける、もしくは遮光の液体資材を吹きかけるという方法もあります。
それから側窓については24時間開けっぱなしにする、肩換気もしくはフルオープンハウスと呼ばれるような天井の一部のビニールも開くような方式を取ることで温度を下げることができます。
それからその他については細霧冷房と呼ばれるようなミストの気化熱を使ってハウスの室温を下げる方法があります。
また、培地の冷却をする、クラウンの冷却をする、もしくはパッド&ファンを使うという方法が考えられます。
それから定植後にビニールマルチを貼る場合には、貼るタイミングを少し遅らせることで地温を上げないという効果が期待できます。
イチゴ農園のハウス室温が高くなった理由を分析まとめ
今回は環境制御のケーススタディ【ハウスの室温が高くなった理由を分析】について解説しました。
次回は環境制御のケーススタディ>>具体的なアクションプランについて解説します。
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