いちご栽培のハダニ駆除におすすめのダニ剤農薬を紹介します。
以下のカテゴリごとにハダニ駆除におすすめの農薬や農薬の特徴を紹介します。
- 有機栽培でも使用可能なダニ剤
- 気門封鎖型で使用回数無制限のダニ剤
- 育苗期間中におすすめのダニ剤
- 収穫中でも使えるダニ剤
- カブリダニなどの天敵製剤
- UV-Bライト(紫外線ライト)
いちごを栽培していてハダニに悩まされている人は、ぜひ最後までお読みください。
いちごに寄生するハダニの見た目と見つけ方
まず最初にいちごに寄生するハダニの見た目と見つけ方を紹介します。
いちごに寄生するハダニの種類
いちごに寄生するハダニには、ナミハダニとカンザワハダニがいます。
ハダニの種類 | 見た目 |
---|---|
ナミハダニ | 体がクリーム色で背中に黒い点が2個ある |
カンザワハダニ | 体全体が赤色 |
いちごに寄生するナミハダニ
ナミハダニは体がクリーム色で、背中に黒い点が2個あります。
顕微鏡でナミハダニを見るとこんな見た目をしています。
いちごに寄生するカンザワハダニ
カンザワハダニは体が赤色です。
顕微鏡でカンザワハダニを見ると、こう見えます。
大量に発生したハダニの蜘蛛の巣状ネット
ハダニは大量に発生すると、蜘蛛の巣のような糸を吐き出します。
ハダニの見つけ方は葉の表面のかすれ模様
ハダニは葉の裏面に寄生しますが、葉の表面に白いかすれが発生します。
ハダニの映像
こちらのツイートでハダニの映像を紹介しています。
ハダニの特徴の解説記事
ハダニの特徴についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
>>いちごのハダニとは?特徴や原因、対策、農薬(ナミハダニ・カンザワハダニ)
いちごのハダニとは?特徴や原因、対策、農薬(ナミハダニ・カンザワハダニ)
本ページはプロモーションが含まれています株式会社イチゴテックの宮崎です。 いちごに寄生するハダニで悩んでいる生産者は多いですよね。 このような質問をよく受けます。 そこで今回は、苺のハダニの説明とその対策をまとめてみまし […]
いちご栽培のハダニに登録適用があるダニ剤農薬
いちご栽培のハダニに適用がある農薬を紹介します。
有機栽培でも使える殺ダニ剤
まずは有機栽培でも使える殺ダニ剤を紹介します。
有機栽培でも使用できる殺ダニ剤の系統とIRACと有効成分
農薬名 | 系統とIRAC | 有効成分 |
---|---|---|
ハーベストオイル | NC | マシン油 |
トモノールS | NC | 高度製剤マシン油 |
日農スプレーオイル | NC | 高度製剤マシン油 |
コロマイト水和剤 | 6 | ミルベメクチン |
アカリタッチ乳剤 | 食品添加物 | プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル |
サンクリスタル乳剤 | 食用オイル | 脂肪酸グリセリド |
サフオイル乳剤 | 調合油 | 調合油 |
ボタニガードES | 微生物 | ボーベリア・バシアーナ GHA株 分生子 |
有機栽培でも使用できる殺ダニ剤の特徴
ハーベストオイルとトモノールS、日農スプレーオイルは、薬害が出やすいです。
コロマイト水和剤はハダニが眠るように死ぬので、一見生きているように見えます。
アカリタッチ乳剤とサンクリスタル乳剤は、果実に汚れや変色が現れることがあります。
サフオイル乳剤は展着剤の使用が推奨されています。
ボタニガードESはアブラムシやアザミウマにも殺虫効果があります。
有機栽培でも使えるおすすめの殺ダニ剤
こちらの農薬がおすすめです。
気門封鎖型で使用回数の制限がない殺虫剤
気門封鎖型で使用回数の制限がない殺虫剤を紹介します。
気門封鎖型とは、虫の呼吸をできなくして殺虫するタイプのことです。
虫に薬剤抵抗性が現れないので、何回でも使えます。
農薬一覧
- アカリタッチ乳剤
- サンクリスタル乳剤
- サフオイル乳剤
- ピタイチ
- フーモン
- エコピタ
- ムシラップ
- 粘着くん液剤
農薬の特徴
アカリタッチ乳剤はうどんこ病にも効果があります。
サンクリスタル乳剤は、アブラムシとコナジラミ、うどんこ病にも効果があります。
サンクリスタル乳剤は、殺卵効果と産卵抑制効果があります。
サフオイル乳剤はチャノホコリダニやアブラムシ、コナジラミ、うどんこ病にも効果があります。
サフオイル乳剤は殺卵効果があります。
ピタイチはアザミウマにも一定の密度抑制効果があります。
ピタイチは殺卵効果があります。
フーモンは展着剤としても使用できます。
エコピタは2022年製造品より有機農産物の日本農林規格へ非適合に変更になりました。
粘着くん液剤はいちごに使用できますが、「粘着くん水和剤」はいちごに使用できません。
サンヨール液剤も気門封鎖型ですが、使用回数が6回までです。
農薬の主な成分と倍率
気門封鎖型で使用回数の制限がない農薬は、主な成分と希釈倍率に違いがあります。
希釈倍率が高い方が、1回の散布あたりの薬剤コストが安くなりやすいです。
商品名 | 主な成分 | 主な倍率 |
---|---|---|
アカリタッチ乳剤 | プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル | 2,000倍 |
フーモン | ポリグリセリン脂肪酸エステル | 1,000倍 |
ピタイチ | グリセリンクエン酸脂肪酸エステル | 500倍 |
ムシラップ | ソルビタン脂肪酸エステル | 500倍 |
サンクリスタル乳剤 | 脂肪酸グリセリド | 300倍 |
サフオイル乳剤 | 調合油 | 300倍 |
エコピタ | 還元澱粉糖化物 | 100倍 |
粘着くん液剤 | ヒドロキシプロピルデンプン | 100倍 |
気門封鎖型で使用回数制限がないおすすめの農薬
こちらの農薬がおすすめです。
いちご育苗期間中におすすめのハダニ対策のダニ剤農薬
いちご育苗期間中におすすめのハダニ対策の農薬を紹介します。
育苗期間中は花が咲かないので、受粉昆虫に悪影響がある農薬を優先的に使用してください。
育苗期間中は天敵製剤を使用しないことが多いので、天敵製剤に悪影響がある農薬を優先的に使用してください。
いちごの育苗期間中におすすめの農薬リスト
いちごの育苗期間中におすすめの農薬を紹介します。
いちごの育苗期間中は、ナミハダニもカンザワハダニも発生することがあります。
育苗期間中は本圃で使えない農薬を優先的に使ってください。
ミツバチやクロマルハナバチなどの受粉昆虫に悪影響がある農薬は、育苗期間中に使用するようにしてください。
殺ダニ剤の系統とIRACと有効成分
農薬名 | 系統 | IRAC | 有効成分 |
---|---|---|---|
モベントフロアブル | テトロン酸およびテトラミン酸誘導体 | 23 | スピロテトラマト |
マラソン乳剤 | 有機リン系 | 1B | マラソン |
ロディー乳剤 | ピレスロイド剤 | 3A | フェンプロパトリン |
コテツフロアブル | クロルフェナピル | 13 | クロルフェナピル |
農薬の特徴
モベントフロアブルは、マルハナバチに45日の悪影響があります。
マラソン乳剤は、ミツバチに10日以上の悪影響があります。
ロディー乳剤は、ミツバチに14日以上の悪影響があります。
コテツフロアブルは、ミツバチに10日以上の悪影響があります。
いちごの育苗期間中の散布におすすめの農薬
こちらの農薬がおすすめです。
定植前の灌注処理におすすめな農薬はモベントフロアブル
定植前の灌注処理は、モベントフロアブルがおすすめです。
灌注処理とは、苗の培地に農薬の希釈薬液をかけて、根から農薬の成分を吸収させる処理のことです。
モベントフロアブルはマルハナバチに45日以上の悪影響があるので、クロマルハナバチを使用する場合は使用しないでください。
モベントフロアブルは天敵製剤への悪影響が強いので、天敵製剤を使用する場合はこの農薬は使用しないでください。
農薬のサイズと処理苗数
モベントフロアブル100mlで、およそ1,000個の苗に灌注処理ができます(苗1個25ml、250倍希釈)。
モベントフロアブル1Lで、およそ1万個の苗に灌注処理ができます(苗1個25ml、250倍希釈)。
いちごの苗の定植時に植穴混和する粒剤
いちごの苗を定植するときに植穴混和する粒剤を紹介します。
植穴混和とは、粒状の農薬を苗を植える植え穴に入れる処理のことです。
いちごに植穴混和でハダニ駆除に登録適用がある粒剤はありません。
いちご開花から収穫期間中の散布におすすめなハダニ駆除の薬剤
いちごの開花から収穫期間中に散布するのがおすすめのハダニ駆除の農薬を紹介します。
苗の定植後から収穫開始前におすすめの農薬
苗の定植後から収穫開始前までは、使用のタイミングが限られた農薬を使うのがおすすめです。
殺ダニ剤の系統名とIRACと有効成分
農薬名 | 系統名 | IRAC | 有効成分 |
---|---|---|---|
サンマイトフロアブル | METI剤 | 21A | ピリダベン |
トクチオン乳剤 | 有機リン系 | 1B | プロチオホス |
農薬の特徴
サンマイトフロアブルは収穫開始3日前まで使えます。
サンマイトフロアブルは、チャノホコリダニやシクラメンホコリダニにも効果があります。
トクチオン乳剤は収穫75日前まで使えます。
おすすめの農薬
おすすめの農薬はこちらです。
いちごの収穫期間中に登録適用がある農薬
いちごの収穫期間中は、実への薬害が少ない農薬やミツバチや天敵製剤に悪影響が少ない農薬を選んでください。
殺ダニ剤の系統ととIRACと有効成分
農薬名 | 系統 | IRAC | 有効成分 |
---|---|---|---|
サンヨール液剤 | 有機銅 | M1 | DBEDC |
アーデント水和剤 | ピレスロイド系 | 3A | アクリナトリン |
カネマイトフロアブル | 殺ダニ | 20B | アセキノシル |
マイトコーネフロアブル | 殺ダニ | 20D | ビフェナゼート |
スターマイトフロアブル | 殺ダニβ-ケトニトリル誘導体 | 25A | シエノピラフェン |
アファーム乳剤 | IGR昆虫成長制御剤 | 6 | エマメクチン安息香酸塩 |
ダニトロンフロアブル | 殺ダニMETI剤 | 21A | フェンピロキシメート |
ダニサラバフロアブル | 殺ダニβ-ケトニトリル誘導体 | 25A | シフルメトフェン |
ダニオーテフロアブル | アシノナピル | 33 | アシノナピル |
ニッソラン水和剤 | ヘキシチアゾクス | 10A | ヘキシチアゾクス |
ダブルシューターSE | スピノシン系 | 5 | 脂肪酸グリセリド スピノサド |
殺虫剤の特徴
サンヨール液剤は、気門封鎖型の農薬で、アブラムシやうどんこ病、灰色かび病にも効果があります。
アーデント水和剤は、天敵製剤のカブリダニに60日以上の悪影響があります。
カネマイトフロアブルは、殺卵効果があります。
マイトコーネフロアブルは、殺ダニ効果が高いです。
スターマイトフロアブルは、殺卵効果があり、シクラメンホコリダニにも効果があります。
アファーム乳剤は、カブリダニに14日の悪影響があります。
ダニトロンフロアブルは、殺卵効果があり、チャノホコリダニにも効果がありますが、カブリダニに21日の悪影響があります。
グレーシア乳剤は、カブリダニに100日以上の悪影響があり、新しいダニ剤です。
ダニサラバフロアブルは、殺卵効果があります。
ダニオーテフロアブルは、殺ダニ効果が高いで、新しいダニ剤です。
ニッソラン水和剤は、機構が脱皮阻害なので効果が遅効性です。
ダブルシューターSEは、コナジラミ類やアザミウマ類にも効果があります。
おすすめの農薬
こちらの農薬がおすすめです。